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翌日の午後。無事退院してそのまま仕事に向かった
一週間分の頭痛薬と睡眠導入剤。
今日は午前休を貰っていただけだったので、退院後仕事用のバッグにそれを詰めてそのまま学校に向かった
1日半の休みなんて早々大きく捉えられることもなく何事もなかったように「おはようございます」と声をかけられ、いつもの調子で教頭の視線も感じる
何か言われそうで、それを聞きたくなくて、いつも以上に急ぎで授業の準備をすると逃げるように教室に向かった
教室につき見渡せば、やはり陽は来ていなくてその席は寂しそうにぽつんと空いていた
…何故来られないのだろうか。
実は体力が無くて、外出がしんどいとか。
でも体育も普通に出席するしな
友達も多いし、人間関係の問題でもなさそう
それか家庭問題。
陽は父親とふたり暮らしだし、家計が厳しくて昼間もバイト入っているとか。
その線は強いかもしれない。
家庭内暴力も考えてみるが、陽は明るい性格だし痣ができているのも見たことがない
やはり、金銭的な問題か…?
それか、もっとこう……
授業を終え、悶々と考えながら廊下を歩いていれば誰かにぶつかった
「っわ、ごめん…って。陽」
「あ、せんせー。おはよーございますっ」
おはようと言ってももう午後だが。
軽くワックスのかかった髪を見ながら思う。
ふわりと笑った陽からはシャンプーのいい香りがした
「来ていたのか」
「さっき来たんすよ。
今日はー、保健室登校ってやつ?してみようかなーって」
「そうだったのか」
「そうそう。何か、保健のせんせーが頑張れ頑張れってうるさいんすよ」
はは、と苦笑しながらも陽はどこか嬉しそうに笑った
でも良かった。
こうやって少しずつでも学校に来てもらえて。
「じゃあ俺、今日は保健室のベッドで寝る予定なんで。またね、せんせー」
ひらひらと手を振って去っていく陽を見ながら丁度持ち合わせていた出席簿の陽の欄に「出席」とチェックをつけた
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