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24 side陽
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side陽
「わ、偉い。ちゃんと来れたね」
カラカラ、と保健室の扉を開ければ先生は優しく表情を緩めた
「…もっと褒め称えて下さーい」
「偉い」
入ってすぐにあった椅子に座り、そのままテーブルに突っ伏した。
適当に拍手までされてムッとするが褒められて悪い気はしない。
…実際、来るの辛いし。
「まぁね~。俺もやればできるんすよ」
勝ち誇ったように顔を上げて笑えば紅茶まで淹れてくれた
「今日はそれ飲んでベッドで寝てな。
目が覚めて勉強できそうだったらしようか」
「はいはーい」
紅茶はパックのものだったが、果物の香りがして美味しかった。
飲み終えるとそのままベッドに向かい横になる
けれど一向に眠気は訪れず時間だけが過ぎていく。
眠るのは諦め、しばらくの間スマホを弄っていた
けれどそれも飽きてきた。
カーテンをシャッと開けるとデスクで作業する先生の隣に座った
「せーんせっ!」
「ん、どーしたの?」
「暇なんでお喋りでもしません?」
「暇って。寝れないの?」
「そ。昨日たくさん寝たんで目冴えまくりです!」
「確かに元気。いいよ、何話す?」
「んー、そうっすねぇ」
「俺は陽が普段何してるか聞きたいな」
「え?俺のこと気になるんすか?」
「気になるよ。何してるの?」
「んー、んー…そうすっね
……何してるんでしょうねー?」
家での自分行動を思い出すと胸がどきどきとざわめいて気持ち悪くなってくる
「んー、ふふ。何でしょうね」
何とか笑顔を保ちながらも立ち上がって先生との距離を取った
不自然にならないようにと、「ちょっとトイレ行ってきまーす」と保健室をでた
「あー……ダメだ…怖い」
トイレの個室で捻り出すように小さく呟くと何度も深呼吸をした
でも頭の中の冷静な自分が、あまり戻りが遅くなっても怪しまれてしまうというので、時間を見てトイレをでた
「…陽、大丈夫か?」
保健医の目が俺をとらえる。
……見ないで。
はは、となんとか笑顔をキープしつつバッグを持つと逃げるように保健室を後にした
…ダメだこれ。
保健室登校とかやっぱ無理だ。
人の目から逃れるように俯きながら早足で家に帰った
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