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「─────ここにこの数式を…」
分かりやすい説明のために何度もまとめ直した俺のノート。
それを見ながら授業を進めるが大半は聞いていなかった
まぁ、別にいいけど。
説明を終えると、教室を回って質問のある生徒にはひとりひとり答えていった
「ねぇ、先生」
「ん、どうしたの?」
「先生って彼女いるの?」
「…え、彼女?」
「そ。先生綺麗だからモテるでしょ!」
授業に全く関係ないその話題。
苦笑しつつも、どうだろうね。と話題から逃れれば「答えて!」とそういうことにばかり興味を示される
そして、その話題と共に紘を思い出してしまった自分がいてなんとも言えない気持ちになる
ヤッたりとかキスしたりとかはしてるけどそういう気持ちの上でのことじゃない。
紘はそういう対象じゃないだろ。
「いないよ」
「えー、じゃあ好きな人は?」
「それもいない」
顔の前で小さくバツをつくる
「ほんとー?」
「ほんとほんと」
「じゃあ最後に彼女いたのいつ?」
いつの間にか他の生徒も話に混ざってきた
何で授業に興味ないのにこんなどうてもいいことには興味あるんだ
「…いつだっけ。年明けくらいに別れたような気がする」
「割と最近まで付き合ってたんじゃんっ」
言われてみればそうかもしれない。
今は5月で、最近と言えば最近だ。
「なんで別れたのー?」
「も、もうこの話終わり!授業中だったの忘れてた!」
「ははっ、忘れてたのー?」
別れたのは面倒くさくなったから。
大体いつもそう。
告白されて、付き合って、そして俺が面倒くさくなって嫌になる。
デートとか、記念日とか、覚えてられるかってんだよ。
それもこれも、相手の事を好きになっていないから起きる事態なんだろうけど。
でもしょうがない。本当にそういうの興味ないから。
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