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「先生、遊ぼ!」
「…遊ぶって。
俺だって暇じゃないんだよ」
放課後、数人の女子生徒に囲まれそんなことを言われるが本当に暇じゃない。
「私達いま注意されてる?
先生に怒られても全然怖くない!」
いいからいいから。と腕をひかれて教室の中に戻される
「恋話しよ!恋話!
今日の話の続き聞きたいの」
「いや、続きなんてないよ」
「無いことないでしょ!」
「…ほんとに無いって」
苦笑するが、もう3人組の女子生徒は聞く気満々で帰ることを許されない
「最近何かないの?今の話聞きたい」
「私も!」
「えぇ、今の話?」
「そ。絶対誰かいるって顔してた!」
女子は鋭いのか、適当に言っただけなのか。
分からないけど、この様子では返してもらえなさそうなのでもうさっさと話してさっさと帰ろう。
「…何が聞きたいの?」
「わっ、話してくれるんですね!
んー、じゃあ相手の名前!」
「名前は教えない」
「じゃあ歳!」
「歳?」
何歳って言ってたっけ。
あんまり興味がないと人の話を聞かないのは直した方がいい癖だ…
えーっと…確か
「27?かな」
「年上!いいですね!それで!?」
「…それで?
それで何もないよ」
「付き合ってる?」
「付き合ってないよ」
「えぇ、じゃあ片思い中?」
「いやいや、好きとかじゃないんだって」
なんで俺が紘に片思いしなきゃなん無いんだ。
「相手の職業は?」
「警察って言ってたような気がする」
「え、すごすぎ!
そんな人と何処で出会うんですか?」
言えない。
ふらふら飲み歩いてたら出会ったとか。
「秘密」
それからまたいくつか質問されたが、軽くかわして話を逸らす
「もう本当にそろそろ行かなくちゃ」
立ち上がれば、えー。と不満を漏らしつつも開放してくれた
急いで職員室に向かえば教頭と目が合う。
不満そうに俺を見て、それからフイ、と顔をそらされた
大方、陽の不登校問題を解決できていないのに放課後の時間を使って生徒と話していたから良く思っていないのだろう
これから言われるであろう言葉の数々を想像するだけで頭がキーンと針で刺されるかのように痛む
案の定、デスクで仕事をしていれば教頭は目の前にやってきて不満そうに口を開いた
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