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家につくと、持っていたカバンを思い切り床に投げつけた
落ちたバッグからは資料だったり筆箱が飛び出した。それごと蹴って、壁を殴りつける
脱いだ靴まで廊下に投げつけた
「クソ教頭…っ」
学校を出たときからずっと涙が止まらなくて、頬を伝った涙でシャツの襟が濡れていた
首元が冷たくてシャツを脱ぎ捨てれば肌寒くて、それから逃れるようにベッドに入って顔を埋めると余計に涙がでてきた
悲しくて泣いているわけじゃない。
ムカついて、泣いてる。
誰も俺の頑張りを見てくれてなかったとか、必死に取り組んでたのに、とかそんな女々しいことで泣いてるんじゃない。
あの教頭の態度にムカついてるだけ。それだけ。
だから、ムカついているだけだから、こんなにボロボロ泣くのはおかしいだろ。
乱暴に目元を擦る
バッグの中で仕事用のケータイがなるのが分かって体がビクッと震えた
きっと怒ってるんだ。
きっと怒られるんだ。
それでも、うるさく騒ぐ着信音にケータイを取り出せばさっきの教頭の言葉だけでなく、今まで言われてきたことや態度が頭の中をチラついて勢いで折ってしまった
仕事用のケータイはガラケーで、折ろうと思えば折れる。
ムカついて折ってしまったケータイは、画面が真っ暗になって静かになった
暫く布団に顔を埋めていたが、気づけば寝ていた
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