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「……あー、どうしたの?」
気まずそうに首元を押さえながら苦笑いの律。
こんなに広い病院で、しかも同じ時間帯とかこいつもついてないよな。
「…い、いやそれ俺のセリフー」
陽も陽で、笑顔を保っているがかなり引き攣っている
「……あなたは、だーれ?」
長く感じられた沈黙の中、先に口を開いたのは陽だった
病院関連に突っ込んでほしくないのか話題をそらそうとしているのが一目瞭然。
「紅野紘。
こいつの面倒みてんの」
「椎名せんせーの?」
「そ。顔色最悪でしょ。」
「ははっ、確かに。せんせー風邪?」
「あー……いや、風邪じゃないけど…
陽、この後時間あるか…?」
「へ?」
「……少し、話さない?」
何言ってんだこいつ。
今の少しの沈黙の間にその小さい頭で何考えた。
「…せんせー体調悪いんでしょ?じゃあ早く寝た方良いんじゃないっすか?」
「……陽と、話したい」
どうしてそうなった?
いや、まじで。
「な、お前も話したいよな?」
律の方が背が低いので見上げるようにそう問われた
「…いや、俺は別に」
「な?」
「あー…おう」
お前が話したいなら合わせるけど。
でもいきなりどうしたのだろう。
陽はそういう誘いを断るのが苦手なようで、嫌そうではあったが了承した
先に俺達は車に戻り、陽が出てくるのを待つことにした
「で?どういう風の吹き回し?」
二人きりになった車内の中、律に問いかけた
「…普通に話したいだけ。顔色悪かったし。」
人のこと言ってる場合かよ。
「俺だって一応教師な訳だし、陽の事で怒られることは多いけどあいつ自体はすげー優しいから見てみぬふりできない」なんていまさっき貰ったばかりの薬を持ちながら言うものだからやっぱり心配はつきない
でも、優しいやつなんだなと思った。
けどあんま無理すんなよ
そんな思いを込めて、わしゃわしゃと髪を撫でれば「触んな」と手を叩かれた
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