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「なぁ、紘」
飴の袋を開けながら、ぼそ。と名前を呼ばれた
「ん?」
「こっち見んなよ」
「は?呼んだのお前だろ」
「こっち見ろとは言ってない」
我儘すぎんだろ。
…だからといって張り合っても仕方ないか。
ひとつ息をついて視線を戻せば、今度は唐突に口の中に飴を入れられた
こいつ。
その内仕返ししてやるからな。
「別に何か言ってほしいわけじゃないから。
黙って聞いてろよ」
口の中は律のせいでいちご味だ。
「あ?」
「…黙れっ」
何なんだよほんとに。訳のわからない律。
でも視線を向ければ怒るし、声を出せば黙れと言われるし、もう飴を舐めながら運転する他無かった
「…その、最近…まぁ薬もらったから大丈夫かもしれないけど…分かんないから……夜、怖くなるから…」
焦っているからなのか、飴の袋を触りながら話すからカシャカシャうるさい
いいから落ち着いて話せ。
「…海見終わったら…紘の家に行っても良いですか。
……ダメだったら、無理にとは言わない…です」
なぜ敬語。
まぁ、来るのは良いけど。
俺としても昨日のあの様子を見た後だと少し心配ではあった
「…な、なんか言えよっ」
え、今度は答えるの?
さっき黙れとか言ってたのはお前だろーが。
「いーよ、来い」
「……っ、ありがと。」
何だこいつ。可愛いやつだな。
いつも態度でかいくせに泊めてほしいとかを言い出すのは改まって緊張するタイプなのかよ
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