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「…美味い」
「そりゃあ良かった」
特に会話もなく、先に食べ終わるともぐもぐ食べてる律を置いて風呂に入った
けど人を家に招いている訳だし悠々とも入ってられないと10分くらいで出ればまだ食べてた
後ろから覗く。
食欲がないのかあまり食べられていないようで、お皿にはまだ半分程残っていた
「食欲なかったら無理に食べなくてもいいけど」
濡れた髪をタオルで拭きながら声を掛ければ、頭を横に振って「食べれる」と頑張っている
髪を乾かして、テレビのチャンネルを変えたところで「…ごちそうさま」と小さな声が聞こえた
「偉い。
腹苦しくなかったら風呂入ってきな」
キッチンに皿を置いた律に頭を撫でてやりながら言う
「…ちょっと、休憩」
ぐてっ。と脱力して抱きついてきた
甘えたい気分、ってやつだろうか。
飲みに行っていたときも抱きついてきたりキスをねだったりしてくる事があったなと思い出す
「…紘ー」
「ん?」
首元に埋められた髪がこしょこしょとあたって擽ったい
「映画見んだろ?」
「まだ時間あるから大丈夫」
そう言い残して、抱きついたまま動かなくなった
…は? 寝た?
「ほら、律」
とんとん、と背中を叩けば「うるさい」と逆ギレされた
ほんとにこいつは…
人の気も知らないで。
もう起こすのも面倒くさくなってテレビを見る
律は軽いし小さいから乗られた足が痺れることも、頭が邪魔でテレビが見えないということも無かった
30分くらいだろうか、もぞもぞと動き出して「…風呂入ってくる」と半分寝ぼけながらふらふらと歩いていった
────と、しばらくして風呂場からガシャンッとすごい音がして急いで風呂場に向かった
危なかったし過ぎんだろ。
「おい、大丈夫か?」
「…いったぁ……滑った…」
浴室を開ければ浴槽から出てそのまま倒れたのか、床に座り込んでいた
「どこも打ってねー?」
「……膝ぶつけた…最悪…」
膝は赤くなってしまっていた
そして顔も赤い
「大丈夫か?」
前髪を避けて額に手をやれば熱くなっていた
「のぼせた?」
「…寝てた。」
「これから風呂で寝んの禁止。分かった?」
「気づいたら寝てたんだからしょうがねぇだろ」
赤い顔でぽやぽやしながらも必死に言い返して来る
一度キッチンに戻り、冷した水を持って戻る。
ほら。と飲ませれば少し体内の熱は下がったようで、床からイスに座り直した
「頭と体洗ったらすぐ出てこいよ
お前身体熱すぎだから。」
「…はーい」
のぼせてるやつを一人残すのは少し心配だが、しょうがない。
子供に言い聞かせるように念を押してから頭を撫でて浴室を後にした
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