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本当に寝たかどうかは分からないが布団をかぶって背中を向けられた
多分寝たんだろう。
だって紘はダメな俺と違って明日もちゃんと仕事に行くから。
…どうせ俺はダメな人間ですよ。
耐え性も無くて、仕事も遅くて、迷惑ばかりかけて。
おまけに今は無断欠勤中。
良くないって分かってる。
こんな自分、俺が一番嫌いなんだよ
心の中で、一人で毒づきながら唸るようにしてデスクの前のイス座って顔を埋めた
……学校、行くのほんとに嫌だ。
嫌だっていうか、無理というか、苦しくなるというか…でもそれは、甘えなのかな
皆だって嫌なことの一つや二つはあって、それでも頑張っている
なのに俺がこうして休むのは、ただの甘えなのかもしれない
でも、そんなこと言ったってさ……
行く、行くの…
ズキッと痛む頭に思わず目を瞑る
昨日病院に行ったとき、実は頭痛薬以外に安定剤も貰った
俺はほしいと言ってないけど医者が
「辛いんなら飲んでいいから」ってくれた
紘には言ってない。
だって安定剤なんて精神的な問題の薬で、そういうものを飲んでいるって何だか情けないから
ぽた、と涙が頬を伝って手の甲を濡らす
襲ってくるのはただただ大きな不安と自己嫌悪。
できる限り使わないでいようと思ったけど早速使う羽目になるかもしれない
…あー、もう。
紘…起きてる?
慰めろ。安定剤なんて飲みたくない。
ベッドに近寄り、つん。と人差し指で布団をつついてみた
寝ているのなら別に無理に起こすつもりはない。
その時は黙って飲む。
ただ、起きているなら少しかまえ。
「……はぁ? 早く呼べよ。」
紘の頬をぽたぽたと俺が零した涙で濡らしてしまう
起きていたのか、起こしてしまったのか、分からないけど紘は結果的に今起きていて、呆れたようにそう言うと、ベッドサイドの電気をつけて隣に座るように呼ばれる
紘の頬は俺の涙で濡れてしまっていた
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