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ガチャンという玄関の開く音が聞こえた
スマホの画面を見れば19:30。
紘が帰ってきてもおかしくない時間だ
リビングの電気がつけられたのか、寝室の扉の隙間から明るい光が漏れてきた
多分紘。
そう思うけどやっぱり少し怖い。
中々出て行けずにケータイを握りしめる
「律ー」
「隠れん坊中ですかー」
誰なのか分からなくて怖かったけど、声を出してくれたことで直ぐに紘だと気づいた
デスクの下から出て、何事もなかったかのようにリビングの扉を開ける
「寝てたの?」
「…起きてた。おかえり」
「おう、ただいま」
スーツ姿だった
朝は一回起きたけれどすぐに眠ってしまったから服装までは見ていなかった
「晩飯コンビニで買ってきたけど、必要無かったみたいだな。ありがと」
肉じゃがについて文句言われたら言い返してやる気満々だったのに、あっけなく感謝されてしまった
これは明日食べような、と紘が買ってきたコンビニのご飯を冷蔵庫に閉まっている姿を見て、慌てて止めた
「あの…俺、帰るから」
「は?なんで。」
手を止めて、呆れたように見つめられる
「何でって……何でも。」
「用事でもあんの?」
そんなに問い詰める?
「…いいから。俺は帰んの。
送っていって」
「やだ。送んねー」
「…ひどっ!」
そんな意地悪卑怯だ。
紘と俺の家は歩いたら結構遠い。
「今日も家に泊まれよ。嫌なの?」
「……逆。
お前、昨日全く寝れなかっただろ。」
「あー、そんな事」
そんな事って。
重大なことだろ。
「気にしなくていいから」
気にすんだろ。
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