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15 side律
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side律
「あ、おはよう。」
紘と出掛けてから2日後の今日。
珍しく二日酔いになっていなくて、遅刻ギリギリではなく余裕を持って仕事に向かった
学校につき、職員用のロッカールームから着替えて出れば、ちょうど俺の持っているクラスの生徒と居合わせた
「おはようございまーすっ」
首元にネックレスが見える。
けど俺はこういうのつけていても良いだろと思う側の教師で、生徒指導部でもないので見なかった事にする
一々突っ込むのも面倒くさいし。
見てない見てない。
「何日ぶり?」
「んーと、2週間ぶり?くらいすね」
それにこいつは学校で唯一の問題児。
不登校の生徒なのだ。
人気もあるし友達も多い。
明るくてチャラチャラした性格は同年代の奴とばか騒ぎしている姿が似合うやつだ。
それこそ、不登校とかじゃなくて学校のもの壊したり髪を染めたり、赤点常習犯とか、そういうことの方で問題児扱いされそうな奴。
「せんせーなんか痩せました?
もしかしてダイエットとか?」
「…そうかな?ダイエットとかはしてないけど」
最近は紘といることが多い。
それはつまりお酒くらいしか飲んでいないということで思い返せばちゃんとした食べ物は1週間ほど前に食べたしらす丼くらいな気がする
まぁ、軽く紘のせいにしたけど元々食には疎い方だし忙しいと食べなくなるのも悪い癖だ
思い当たるふしがいくつかあり、はにかむとそいつは「ダメっすよ!せんせー細いんすから」と小さなお菓子の袋をくれた
「あ、せんせー」
「ん?」
「今日遅くまで学校いるんで、数学教えてくださいね!」
「わかった。どこでやる?」
「図書室とかー?」
「うん」
にこ、と笑えば笑顔を返してくれる
「ありがとーございます!」
勉強もちゃんとするし、友達も多くて、不登校になる理由なんて無いはずなのに。
教室に向かって遠ざかって行く背中を見ながら思う。
前に、もし何か来づらい理由があるなら保健室登校でも良いと進めたが、やんわりと断られてしまった
何か、他に理由があるのか。
本人に言う気は1%も無いが、実は彼が不登校だと教頭や校長にかけられる圧力が半端じゃない
俺も気が滅入るし、怒られるのは好きじゃないので、できる事なら学校に来てもらいたい
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