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ふわり、いい匂いがする
焼きたてのパンの匂い。
「───おら、起きろ」
「…ぅ」
「おーきーろ。」
さっきまでいいにおいに包まれ心地良かったはずなのに、突然その声と共に体がひやっと冷たくなる
「……なに」
せっかく心地よく寝てたのに。
目を擦りながら開ければ、紘が立っていた。
そして俺がさっきまで包まっていた布団が持たれている
紘に奪われた。あったかい布団。
「んな不満そうな顔すんな。遅刻するぞ」
返せ。そのあったかいの。
手を伸ばして奪い返そうとするが届かない
「寝惚けてんの?
ほら、いい加減目さませ。あと頭痛は?良くなったか」
頭痛……そうだ、昨日の夜薬もらったんだ。
「治った」
「よし、じゃあ飯食え」
体を起こされ、段々と目が覚めてくる
枕元に置いていたケータイを開き、時間を確認すると6:30。
いつも起きてる時間と同じだ。
のそのそとベッドから降り、リビングに向かった
「…うまい」
「あっそ」
紘とこういう風にいるのは2度目だ。
1度目はしらす丼を食べに行っとき。
とは言っても今日は休みではないからお互いにもう少ししたら直ぐに別行動だけど。
小さく流れるテレビニュース。
朝はなんと紘が車で学校まで送ってくれるらしい。
申し訳ないとは思うが、ラッキーだと思う気持ちの方が強いのでお礼だけ言っておいた
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