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夕食後、風呂からでた律は珍しく冷蔵庫に入れていたアルコールを飲んでいた
最近は、気分じゃない。と酒には全く手を出していなかったから珍しいなと特に深くも考えずに俺も風呂に入った
風呂から上がってタオルで髪を乾かしながらリビングに目をやれば缶が2本空いていて、3本目に口をつけていた
テレビはニュースがかかっていて、酒飲みながらニュースとか楽しいのか?と若干の疑問を持ちながらもそこには触れなかった
「酒の気分?」
後ろから話しかければ、こく。と頭を縦に振ったのが見えた
「最近飲んでなかったんだなら一気に飲みすぎんなよ」
「…わかってる」
酔ってるな。
舌が回っていないのかゆっくりで、ふにゃふにゃした話し方だ
「ねぇ」
「ん?」
赤い顔の律が振り返り、小首を傾げたまま口を開いた
「俺、…このままダメ人間になったらどうしよう」
「このままってことは今もダメ人間な訳?」
「…そう。ダメ人間。
迷惑ばかりかけて、……仕事にだって行けないのに」
「律はダメ人間じゃねーだろ」
「なんでそういう事言うの?」
甘やかさないでよ。ダメならダメでいいんだって。といつになくイライラしてる
ダンッと勢い良く缶をテーブルに置くから中が少し跳ねてテーブルを濡らした
焦ってんのかな
仕事に行けていない、その日数が増えていっていることに。
「お前さぁ、少し休めって。」
「休んでるよ……もう、もう休みすぎてるくらいなの…!なのに!…全然行ける気がしない、のっ」
徐々に声が大きくなってきて、綺麗な黒の瞳に涙がたまる
終いにはベッドに頭を埋めて、大泣き状態。
休めてないんだってお前。
全く、律にとって休憩できる環境を作ってやれていない
それは俺の力不足でもあるんだろう
元々、過去の出来事のせいもあってホームシック気味だったのに、畳み掛けるように陽のことや仕事量の多さ、そして人間関係。
律は今、結構危ういくらいに精神が不安定。
ソファで顔を埋めて泣いている彼を抱き上げ、膝の上に乗せて背中を優しく撫でる
……大丈夫。そんなに怯えなくても、大丈夫だから。
そんな思いを込めての行動だった
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