アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
風呂場にて
-
「…もっと左」
「ここ?」
「そうそこー」
こくこくと船を漕ぐ頭を固定され、洗われている
身体を洗ってくれているときは擽ったいとか言って騒いでたけど俺にもうその元気は残ってない。ただただ眠い。
だからもっと左とか、優しくとか、気持ちよく頭を洗ってもらうための指示をぼんやりとしながら言う
あー、そこ。気持ちいい。最高。
「流すぞ。少し上向け」
シャワーの音と共に何か声が聞こえる
「…ん?」
「寝てんなよ。上向けつってるの」
「…うん、分かったわかった」
分かったからピリピリすんなよ。
「お前それ下な。俺は上向けって言ってんだよ」
「あー…確かに」
返事はするものの、頭で理解できない。
紘が俺にどうしてほしいのか分からない。
もう眠くて眠くて仕方ない。
すぅ、と寝かけたとき、ぐん。と頭の角度を変えられた
「んっ…なに」
「泡流すの。わかる?」
泡?
「あー…おっけ」
シャワーで泡を優しく流される
顔に泡やお湯が跳ねてくることは一切無くて、上手だなーなんてどこか遠くで思う
「……え、寝た?」
起きてる。
だって紘の声聞こえてるし。
でも、目を開けることはできなかった
不意に身体がぽかぽかと温かくなる
少しだけ目を開ければ、浴槽に後ろから抱き締められながら浸かっていた
これなら溺れなくて安心。
気持ちいし、眠いので、俺はそれに逆らわなかった
次に目が覚めたのは、ベッドの中。
いつ風呂から上がったのかは分からない。
ほかほかで温かいのは良いけど、少し熱い。
逆上せたかな?
布団から身体を起こし、額に触れれば冷えピタが貼られていることに気づいた
紘はまだ起きているのか、ベッドには居ない
少しだけ目眩のする視界に舌打ちしながらも寝室を出てリビングへ向かった
「やっぱ顔赤いな。逆上せた?」
目があってすぐ、そう言われた
紘の手に持たれた氷の入った冷たそうな水を渡される
「…分かんね。目眩はする」
こく。と一口飲めば冷たくて喉がきゅってなった
「紘まだ寝ねぇの?」
「少しパソコンしてから寝る」
「じゃあ俺もそれまでここ居る」
「寝てて良いけど」
「俺はここに居たいの。別にいいだろ」
返事は聞かず、先にパソコンの前に座る
後からやってきた紘に寄りかかりながらちびちび水を飲んだ
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
143 / 349