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緊張
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あーー。
緊張で腹が痛い。
頭が痛い。
手足冷えまくるし、胸がドキドキする。
もう耳から心臓の音が聞こえてくるくらいだった
「…なんで、こんな」
どんだけビビってんだよ。
この前も面接に行って、良いとこだって思えたはずなのに。
なのに今は緊張の1色だった。
「………んん」
そもそも、なんて言って店に入ればいいんだ?
『アルバイトの椎名です。よろしくお願いします!』って?
お客さんいたらそんな入り方はうるさくて失礼だ
え、どうしよう…
ああ、腹痛くなってきた…
そんなことをしている間に1:00を過ぎた
そろそろ行かないと。
え、てか待って?
俺今私服だけどスーツの方が良いのか?
ああだめだ動けない
どうしよう
どうしようもなくなったって、時間は過ぎていくし思い切って紘に電話をかけた
『家出れたか?』
時間を見てか、電話を受け取ってくれた彼にそう聞かれる
「いや、あの…家にいるんだけど
どうしていいか分かんなくなって」
服装もそうだし、この腹痛や頭痛も厄介。
『大丈夫。絶対大丈夫だから。
1回深呼吸してみて?』
言われたままに深呼吸。
「…服は何着ていけばいい?」
『服?シンプルなの着ていったら?』
「シンプル…」
じゃあ今のままで大丈夫だ。
黒のスキニーに紺色の薄いパーカー。
多分大丈夫。
「…ひろ」
『なに、どうした。そんな不安そうな声出して』
少し笑われた。
でもその笑い方はバカにするような物ではなくて、俺はその息遣いにだけでも緊張を解こうとする
もう、紘から発せられる声や息遣い、言葉、そういうもの全てから緊張を解くきっかけを探しまくった
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