アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
94
-
神崎嶺side
大輝が買って来てくれたケーキは美味しくて
頬が緩むのがわかる
そんな俺の顔を見て大輝がもっと緩んだ顔をしとる
なんやその情けない顔は
大「ホンマにかわええな?ケーキ美味しい?」
嶺「おん」
大「買って来た甲斐があるわ」
その後大輝はずっと俺のそばにおってくれて
あっという間に夜になってもう寝る時間や
何となく棚の方を見ると薬の瓶が目にとまる
ここ2、3ヶ月は全く薬を頼らずにいられてる
薬…捨てようかな
…でも
一応
置いておこうかな
そんなことを考えてると大輝に後ろから抱きしめられた
大「嶺…寝ようや」
首元に吸い付いて来て耳元でそんなことを言う
嶺「んっ…おん、先寝ててや」
大「眠れへんの?」
嶺「いや…そう言うわけやないけど」
人に依存しなくともたぶん、俺は一人で寝ることができると思う
今までは目を閉じれば蘇る虐待されていた日々
思い出したくもない過去が鮮明に脳裏に写っていたけど、今は靄がかかったみたいにボヤけてる
今日はとりあえず大輝と寝よう…
明日からはひとりでも大丈夫…
孤独になろうってわけではない…
自立しようとしてるだけ
『ひとり』の意味がちがう
俺やって前に進んでるんや
そう思って大輝の方に振り返って、ぎゅっと抱きついてみた
大輝はびっくりしたみたいやったけど、すぐに笑顔になって頭を撫でて来た
その後大輝に抱き締められて眠った
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
94 / 94