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遭遇
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あ、今の南楽しそう
南の素の笑顔で俺まで笑顔になってくる。
それにニコニコ笑ってる姿はどこからどう見てもボーイッシュな女の子の様だった。
だからそんなこと思っていた俺は油断してたのかもしれない。
不意に南が知らない男に手を掴まれた。
「南!?
…おい、お前誰だよ!
南の手離せよ!」
男は俺の存在に気づいたのかへらっと笑った。
対して南はスマホのバイブレーションの様に凄く震えていた。
すると20代前半に見える男は俺に軽く一礼したあと自己紹介をしてきた。
「俺、南の兄の陽向です。」
それだけ言ってもう俺には用は済んだとばかりに直ぐに南に顔を向けた。
「ひな、兄…」
「南。あの人がこの前電話で言ってた人か。
髪を切ったんだな。よく顔が見える。
それよりここで買い物か?なら家が近いのか?」
この南の兄と名乗る人は矢継ぎ早に質問を浴びせてきた。
南はもう涙を流す寸前なのに、そんなことも気にせず話し続けている。
すると何も答えずただ震えている南にうんざりしたのか俺に聞こえないように南に耳打ちをしていた。
「わかったか?南。」
南に何を言ったのか俺にはわからないが、とにかくこの状況がまずいということだけは分かる。
「あの、陽向さん…?
南今何も答えられそうにないんで、また今度にしたらどうです?」
「今度っていつですか?」
しまった
つい次回の約束を取り付けようとしてしまった。
南の様子を見るに2人をあまり合わせない方がいいかもしれないのに。
とりあえず予定が空いた日ということで陽向さんの連絡先をもらっておいた。
今日はもうこのまま帰っても大丈夫だろう。
俺は急いで南と車に向かった。
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