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「交渉成立だ。
ならまた後でな。」
ひな兄の狙いが何かわからなかったけど、それもすぐ分かるだろうと僕はまた本の世界へと飛び込んだ。
数時間してコンコン、と扉がノックされる。
ひな兄だ。
「はい、これ。」
ホントに時計を持ってきてくれたことに正直驚いた。
だってまだ少しだけ僕はひな兄を疑っていたから。
見返りはなんだろう…
僕がそう思ってると急にベッドに押し倒された。
「!?な、なに!?」
ひな兄は無言で僕の手首を紐で結ぶ。
僕が何度聞いても何も返事はないので僕も問うことを諦めた。
ひな兄が僕の手首を結び終わった時だった。
不意に僕の大好きだった人の声が聞こえた。
「終わったか。」
「お父、さん…」
「私の息子には千聖と陽向しかいない。」
どうやら、僕はもうお父さんの息子でもなかったらしい。
なら僕はなんなの?
なんのためにここに居るの?って気持ちで頭の中がグルグルする。
その時だった。
「お前はこれから千聖の相手をしろ。
そして男じゃなく女として生きろ。」
突然のことに頭がついていかない。
ちさ兄の相手?なんで相手をしないといけないの??
それにどうして女として生きていかないといけないの?女顔かもしれないけど、僕はちゃんとした男なのに…
話は終わったとばかりにお父さんはさっさと部屋を出て行ってしまった。
もしかしてこれが見返りだったりするの?
だったら全然時計と釣り合わないんじゃないかって思う。
でもひな兄は『わかったよな?』と目で威圧してる様で僕はもう何も言えなかった。
「んじゃ今日の俺の仕事は終わりだ。
あとは楽しくやってろ。」
ひな兄もそれだけ言って部屋を出ていったけど、手首を結ばれていて本も読めない。
ひな兄が出て行ったあとすぐ入れ替わるようにちさ兄が入ってきた。
「やっほー昨日ぶりかな?
さっきお父さんが言った通りだから、早速始めるね。」
そしてちさ兄はゆっくりと、僕に覆いかぶさってきた。
顔が近づいてきて思ったことは、血は繋がってるのになんでちさ兄達はこんなにも男らしい顔をしてるんだろうってことだけ。
僕だって、もっと男らしかったからこんなことにならなかったのかなっていう気持ちが塵となってだんだんと積もっていく。
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