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喧嘩
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〜晴也side〜
俺は今、何を見てるんだろうか…
普段ヘラヘラ笑ってる奏斗が無表情で怒っている。
一方、南はというと、いつもの静かな雰囲気はどこえやら…
奏斗に怒りを露わにしている。
まるで2人が入れ違ったみたいだ。
「だ〜か〜ら!!なんで南ちゃんは周りのことを考えないの?」
「考えて良くないと思ったから相談したの!!」
…うん、話が分からん。
俺はとりあえず2人の口喧嘩を止めることにした。
「おい…ふたりとも
お前らの声廊下にまで聞こえてる。まず落ち着けよ…」
「だって、南ちゃん。」
「は?!東さんも言われてんじゃん!」
「俺は最初から落ち着いてる。」
「どこが!!」
止めたつもりだったのにまた喧嘩が始まってしまったでは無いか…
俺は奏斗にチョップを、南にはデコピンをくらわせた。
「いだっ!!」
「いたっ」
奏斗が南ちゃんだけ力が弱いとか言ってるがそんなの当たり前だろう。
俺の大切な人なんだ。依怙贔屓はする。
それに第一病人。
もしチョップをして何かの間違いで傷口が開いたら……いや、それは考えすぎか。
とりあえず事の発端を聞こうとしたのだが、南は黙るし奏斗が話そうとすると南が大声を出して邪魔をする。
「…南。聞かれたくないことなのか?
なんでか言える?」
「ハルのことで喧嘩した…
それ以上は言わない」
なんてこった。
喧嘩の原因が俺だったとは…
その様子を見ていた奏斗が不機嫌な顔で病室を出ていった。
荷物はまだここに置いてあるからまた戻ってくるだろう。
俺はまず南の零れそうな涙を拭い、落ち着かせるために水を持っていった。
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