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退院日
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退院するまで時間は必要だったが、南にも治す意欲があったので予定より早く退院出来た。
「ハルって車持ってたんだ…」
「一応ね。でもあんま使わないかな…
けど安全運転だから安心してね!」
「ふふ、分かってるよ」
俺は後頭部座席に荷物を置き出発しようとしたが、それはある看護師に止められた。
「あの!ちょっといいですか!?」
誰だろうか…
俺の知らない人だ…
一応南の方を見たが南は首を横に振った
「えっと…どちら様でしょうか……?」
「あっ!すいません!
私、キタヤ先生の大ファンで!サインと握手してもらってもいいですか!?」
あぁ…なるほど
俺は早く家に帰って存分に南を甘やかしたいので早く終わらせ帰路に着く
だがどうしてか南の機嫌がよろしくない…
「……南ー?
どうした?なんかあった?」
「…なんかあった」
「俺に話してくれるか?」
「……話す」
不機嫌でも俺の質問にはちゃんと答えてくれる
自然と笑みがこぼれたが、南の頬が膨れ始めたので直ぐに辞めた
「………さっきの人」
「え?」
「さっきハルにサインと握手求めた看護師さん…」
それがどうしたのだろうか…
「僕がワガママなのは分かってるんだけど、さっき…ほんとに一瞬だけ…ハルは僕のって思っちゃったの…」
それは………
嫉妬
だろうか…
「ハルにはたくさんのファンがいて、ハルがたくさん愛されてるのは知ってる…
勿論、僕もなんだけど…
でも、僕達ファンにとってハルは唯一の人でかけがえのない人でも、ハルにとって僕達ファンは大勢でしかないんだって思ったの。
ファンはハルを見つけたら興奮するのもわかる。
サインや握手を求めるのもわかる。
でもハルは僕のだから馴れ馴れしくしないでって………
僕、悪い子だね……」
…正直、あの看護師のことなんて今はどうでもいい
南が嫉妬してくれたことと、こんなに話してくれるのが嬉しくてしょうがない
初めて会ったばかりの南は口数が少なく、あまり感情を出さなかった
だが今は違う
ちゃんと感情を出すようになったし、思ったことは言ってくれるようになった
なかなか返事をしない俺に何を勘違いしたのか南はガーンとした顔に変わる
「南?どうしたその顔…」
「嫌いにならないで…
もうこんなこと言わないから、めんどくさい子って思わないで…」
プルプルしだした南
信号が赤になったので俺は南の頭を撫でた
「嫌いにならないしめんどくさいって思わないよ。
逆にそんなに俺の事思ってくれたことの方が嬉しいよ」
「ほんとに?」
「うん。
あーーーでもそんなに思ってくれてる南が可愛い…」
「へ?」
「…そういえば、南と約束してたね」
俺は唇をとんとん、とおした
南も覚えていたのだろう
少し照れたのか髪をいじり始めた
そんな南が可愛くて仕方がなくて、もっと南に触れたいから、俺は急いで家に向かった
勿論、安全運転で
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