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すりおろしを食べた後、南はそのままベッドに倒れた。
「ッ南、」
顔を覗くと心地良さそうな顔だ。
なんか…さっきの南は自由気ままな感じで新鮮…
………俺何考えてんだ!!
今は南の看病が第一優先だろ!
仕事なんて放って朝までずっと南に寄り添っていた。
朝熱を測ると37度。
良かった熱は下がったみたいだ…
「ん、ハ…ル?」
「あ、南。おはよ。具合はどう?」
「すごい元気…」
「そっか。良かった。」
今なら聞けるかもしれない。南が寝る前に言ってた、あの怒ってる人が誰なのか。
「なぁ、昨日言ってた怒ってた人って誰?」
「えっ、僕なんか言ってた?!」
これはまさか……記憶が無い?
「言ってた…けど南が覚えてなかったら仕方ないな…。忘れとく。」
「うん…ごめん。」
それは何に対してのごめんなのだろうか…
いや俺は忘れると言ったんだ。もうそれについて考えるのはやめよう。
今俺がやるのは仕事と南と優のこと。
「次優が来るのっていつ?」
「んーと、明後日?」
「へぇ。次は何すんの?」
「えっとね、今度はお菓子作ろって話してたからそれかな?」
なら明後日は仕事を休んで2人を観察?するか。
その分休んだ分の仕事はまた別の日にやらないといけないのだが…
それにしてもお菓子か………
だんだん南の出来ることが増えていって俺も嬉しくなる。
今南は俺にとって婚約者ではあるが何れ妻になるんだ。
今の南は花嫁修業してるようにしか見えない…
教えているのが優ってのがちょっと嫌だが……
料理なら俺だって出来る。もっと言うと俺の方が上手い自信がある。
でも俺は仕事が忙しいからって南が遠慮して優に頼んだ。
まぁ…奏斗に頼まなかったのは良かった…
もし奏斗が教えることになったら俺は仕事に集中出来ん…
あいつは南が大好きで何かとスキンシップが多いから…
いやそんなことよりも明後日か。
その時に2人になにがあったか分かるといいんだが…
ここまでやってしまう俺は過保護かよと失笑してしまった。
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