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でも考えるって言ってもそもそもどこから…と思ってしまう。
だって考えればキリがないし…
僕がうんうんと悩んでいるとまたもや東さんが助言をくれた。
「んーと、そうだなぁ〜…別れを切り出す前になんか言ってた?」
「あ、それなら……優さんのこと聞いてきました…」
「は?なんで?」
急に言葉が刺々しくなった…!
名前だけでも嫌なんだ…
東さんがこれ以上ピリピリしないように僕は少しビクつきながら説明をした。
「えっと…ずっと優さんのこと見てた?って…それでボクうんって言って…」
「えっ。南ちゃん、見てたの?晴じゃなくて?」
「うん…」
自分で言うのもなんだけど…酷い……
恋人ではない他の人を見つめてたって…
また落ち込んでしまって、自分の手を見つめる。
ずっと下を向いてると酔ってしまう気がして窓の外を見ることにした。
ふとガラスに映る僕が目に入る。
ガラスに映った僕はなんとも言えない顔で、余計悲しくなった。
すると信号が赤になったのだろう。
東さんから視線を感じた。
「東さん?」
黙ってこっちを見てるだけで、何も言わないから怖くなる。
「あの…?」
「……あー、いや、なんでもない!」
どうしたのだろうか。
そして今度は深刻な顔で聞いてきた。
「ねぇ、南ちゃん。南ちゃんの好きな奴って晴だよね?」
「え?もちろん…」
「だよねー!うんうん、そっかー。」
東さんの独り言がどんどん増えていく。
本当に、訳が分からない…
「説明してもらっても…」
「んー、でもこれ俺の憶測だし違ってたらな〜」
「ッ違くてもいいです!」
「いやでも…もしそれが間違えてて、余計南ちゃんを悩ませることになるならな〜」
全然話が進まない……。
でもやっぱり聞きたい!そう思って声を出そうとした時、それは携帯の着信音によって掻き消された。
「あ、ごめーん。出てもいい?」
「どうぞ…」
「んー?誰からだー?……おっ」
さっきまで面倒くさそうに携帯を開いていた顔が、一気に輝いた。
彼女さんかな?
僕は黙って東さんを見ていた。
「ううん、まだだよ〜!今運転中〜。から後でまた掛け直すわー。
ほーい、ばいばーい」
電話を切ると同時に信号が青に変わった。
通話中、ずっと僕の視線に気づいていたのか、誰か気になる?と聞かれた。
「…彼女さん?」
「ぬはははは!俺に彼女いると思うー?」
「えっ、はい。」
「わお、そんな真面目に返されると思わなかった。ありがとぉ〜
でも彼女じゃないよーん」
じゃあ誰だろうか…
東さんの交友関係なんてそんな知らな………あ。
「もしかして……ハル?」
そう言った瞬間、東さんはいたずらっ子のような笑みを見せた。これは正解ということだろう。
「な、なんの話を…」
「え?もう家に着いたのか〜って事だけだよ〜」
「…そっか。」
僕のことを聞かれたわけじゃなかった……
そうだよね、もう僕達別れたんだから。
勝手に聞いておいて勝手にガッカリしてるなんて相手からしたら迷惑だろうな…
そう思って僕はまたいつも通り普通に接した。
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