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サイン会の会場に着くと、南はこれ以上テンション上がるかと思いきや、意外と落ち着いていた。
繋いでる手から汗が伝わる。
緊張……しているのだろうか。
「ハル……すごいね……」
会場を見つめながらすっかり感動している。
「南、今日は頑張ろうな…」
「?
僕にやれることあるの?」
「んー、わかんないけど、手伝い頼まれるかも」
「分かった!」
素直に頷いていて、本当にしっかりとした子だ。
「あ、先生〜」
少し歩くと、直ぐに花さんが駆け寄ってきた。
「南、この人がこの前言った担当編集者の、」
「尾方 花江です〜」
花さんが軽くお辞儀をすると、南も慌ててお辞儀をした。
「う〜〜〜ん。やっぱり可愛いですねぇ、南くん」
ムム…と花さんは真剣な顔で呟く。
「え?!僕全然可愛くないですっ!それに、尾方さんの方が絶対可愛いくて綺麗です!!」
「や〜ん、この子いい子〜!先生〜、この子欲しい〜養いたいです〜!」
「いやいやいや、ダメに決まってるでしょ…」
何を言ってるんだこの人は……!?
「まぁ冗談ですけどぉ、ほんとに可愛いですねぇ」
ニコニコと南を見つめている。
人見知りな上、出会ったばかりの人にこんなにジロジロと見つめられたら誰だって嫌だろう。
南だってどう反応したらいいのか分からず、俺に助けを求める視線を寄越した。
その視線を受けて直ぐに俺は南と花さんの間に入る。
「花さん今日は南見せにきたんじゃないので……」
「うふふ、わかってまぁーす」
こうして俺たち3人は、楽屋へ向かった。
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