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顔出し
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午後のサイン会が始まり、少し……変なファンが来た。
「先生…私、ずぅっっっっっと先生に会いたかったんです。」
「はは、ありがとうございます。」
「こんなに綺麗な人、私初めて見て……一目見た時から好きになっちゃったくらいなんですよ?」
あぁ………………そういう人か。
俺が顔を出し始めた頃だろうか。
途端に俺の顔が出回った。
その時はまだ俺は知らず、いつも通り買出しに行っていると不意に写真を撮られた。
盗撮かと驚いたくらいだ。
勿論直ぐに問い詰めた。
そして納得し、これから俺は顔を隠そうと決めたのだ。
そしてたまに、こういったサイン会などでここぞとばかりに自分をアピールしてくる者がいる。
今目の前にいる人のように………
「先生…私、凛夢子って言うんです。このサインに、名前入れてくれませんか?」
「いいですよ。」
りむこ…か。
珍しいと思いながらも手を動かす。
「はぁ…っ、ありがとうございます…!家宝にしますね…!」
そう笑顔で言う彼女は、本当に嬉しそうだ。
それ以降は、もうさっきの様なファンは来なかった。
無事サイン会も終わり、俺達は少し早めの夕飯をとることにした。
「何か食べたいのある?」
「僕何でもいいよ。」
「そっか」
あれ?
なんか、今の南不機嫌…?
「……南?どうした?なんかあった?」
「……分かる?」
「勿論」
そして急にモジモジしだした。どうしたのだろうか。
「呆れない?」
「絶対呆れない」
するといきなり頬をプクりとふくらませると同時に、俺の腕に絡みついた。
「僕…本当に酷いの…」
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