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当初
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南が納得したのを確認し、話の続きをする。
「距離を置くのは難しいけど、少し仕事の関係って事を思い出さなきゃな。」
「?」
まだ話を理解していないようなので、細かく言う。
「実は出会ったばっかの頃に言われたんだよね。友達として接してくださいって。」
時は遡り、ハルが小説家になったばかりの頃だ。
「こんにちはぁ、担当編集者になりました尾形花江です〜。
これから先生って呼びますね!あ、私のことは花ちゃんって呼んでください〜」
花ちゃん!!?!!?
「私の事は、友達だと思ってくださいねぇ〜」
「いや、友達だなんて……俺の方が年下なのに…!」
「あ、私のことおばさん扱いしてますかぁ〜?」
いやいや全く!!!!
必死に首を振る。
すると花さんはクスクスと笑い始めた。
「先生って面白いですねぇ〜冗談ですよぉ〜。」
冗談……だったのか?
何せ今日が初対面だ。この人がどんな人か分からない。
「あの、尾形さん…」
これからよろしくお願いします。そう言おうとした時、急にぷいっと顔を背けられた。
「花ちゃんって呼んでください!そうしないと返事しません〜」
え、えぇ……??
でも『ちゃん』って……失礼じゃないか?
「あの…花さん……」
流石に『ちゃん』は無理なので、さん付けで呼ぶことにした。
というか、そもそもちゃん付けで呼ぶのかなんか小っ恥ずかしい……
「んーー、まぁ、名前は呼んでるのでいっかなぁ…」
あ、よかった。
「花さん、これからよろしくお願いします。」
「ふふ、こちらこそ。
それと、私。女として、先生には一切興味ないので安心してくださいねぇ〜」
「っ!!」
花さんのこの言葉で、俺は彼女への警戒心が一気に減ったと思う。
というのも、この顔はよく人を惹きつけていた。
少し隙を見せれば、言い方は悪いが直ぐに女性達はまとわりついてくる。
だから最初、担当編集者が女性で結構警戒心を抱いていた。
別に女性が苦手という訳では無い。
めんどくさいだけだった。
『俺に興味がない』
この言葉だけでも俺は嬉しかった。
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