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〜晴也side〜
俺たち2人はホテルに入ると、なんと犯人だと思わしき凛夢子さんがいた。
「ッ先生!」
そう言って嬉しそうに駆け寄ってくる彼女。
普段なら何も思わないが、今は憎らしくて仕方ない。
挙句に何を勘違いしたのか、俺がずっと彼女のことを考えていたと思っている。
なんでそんな考えに至ったのかは、考えるだけでも頭が痛くなってくるほどだ。
「俺がいつも考えてるのは南のことだけだよ。」
俺が正直なことを言うと、一瞬、彼女の顔が歪んだ。
けれど本当に一瞬だった。
その顔はまた、あの麗華さんそっくりな顔に戻った。
その直後、凛夢子さんは顔を南に変えると言っている。
どこまでバカなのだろうか。
たとえ南の顔になれたとしても、南自身にはなれないというのに…
けれど彼女の顔はどことなくキラキラしていて、あぁ、可哀想な人だ…と、同情心が芽生える。
「そっか。」
「…え?」
俺が素っ気ない返事をして彼女は驚いた。
なんでだ?
だって俺には関係の無いことだから…なんとも思わないだろう?
「えっ、と…あの、喜んでくれないんですか…?」
「なんで?」
「ほら、あの子の顔になれば、子供だって作れられますよ?」
「でも顔が違う」
そう言った瞬間、ホテルのロビーにはバチン、という音が響いた。
何故か俺はビンタされていたのだ。
「なんですか?整形ってそんなに悪いことですか?」
あぁ…なるほど。
どうやら彼女は勘違いをしているようだ。
俺は別に整形を馬鹿にするつもりなんて全く持ってない。
ほら、昔やってたドラマにだって似ているシーンがあった。
『美しさを金で買って何が悪い。』
確かにその通りだと思う。
だから本当にさっきの言葉に深い意味はなかったんだ。
けどまずいな…。
ここでさらに凛夢子さんを興奮させてしまったら、落ち着いて話もできない。というか、南も解放されないかもしれない。
「ごめん、そんな深い意味はなかった。」
「…本当ですか?」
「うん。」
「じゃあ…今のは忘れてあげます。」
ふう…。なんとか落ち着いて良かった。
今なら大丈夫だろうか。
「なぁ。ところで、南ってここにいるのか?」
「いますよ。」
「「!!?」」
あまりにもあっさりとした言い方に、俺と位上くんはつい顔を見合わせてしまった。
「どこにいるんだよ!」
さっきまで大人しかった位上くんはどこえやら…いきなり気性が荒くなった…。
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