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バイト
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位上くんの話を聞いて、俺はあることを思いついた。
「ねぇ、位上くん。質問なんだけどさ、今のバイトで、最高の時給っていくら?」
「え?1200円です…」
「うん。なるほどね。おっけー」
俺が1人で納得していると、訳が分からないという顔を彼は向けた。
そしてピースサインをし、位上くんに提案をする。
「今の時給の2倍出そう。」
「えっ?」
「時給2400円で、俺の実家で働かない?」
「ど、どういう仕事ですか…」
前回ので学んだのか、しっかりと話を聞いている。
「家の掃除だけ。結構大変かもしれないけど、位上くんなら出来ると思うな。」
俺がそう言うと、彼は深呼吸をした後口を開いた。
「俺、先生のことは信用してるつもりです。
でも、やっぱりまだ怪しいと思ってる自分もいます……
俺、どうしたらいいですかね……こんな割のいいバイト他にないのに……」
「じゃあちょっと見に行こっか。俺も一緒に行くよ。」
「え?」
俺はすぐ位上くんを連れて、実家に向かった。
「お帰りなさいませ!晴也様!」
1人がそう言うと、一斉に周りの使用人が『お帰りなさいませ』と口を揃える。
久しぶりのお出迎えに少し小っ恥ずかしい………
俺は位上くんを連れて、執事長の元へ行った。
執事長の話を位上くんは真剣に聞き、メモまでしている。
帰る頃に位上くんの目はキラキラしていたので、これは承諾してくれるだろう。
家を出るなり、彼はすぐに俺にお辞儀をした。
ここで働きたいようだ。
「申し訳ないけど、今やってるバイト全部辞めることになるけどいい?」
「はい。正直、キツかったし……1つのバイトで精一杯頑張りたいです。」
へらっと笑った位上くんは、今までで一番美しく、輝いていた。
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