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彼のする話
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入学してから1週間が経った
この高校はなんてことない
ただの共学だ。
特別強い部がある訳でも、奇妙な行事がある訳でもない。
不良もいないから基本的に静かな普通の学校で
家からの距離も近くもないし遠くもない。
だからおれはここを選んだ。
おれが心地よく読書出来る環境。
「でさ!猫に寄ってきてもらうために鰹節ポケットに入れ てたらさ!そのまま洗濯しちゃって鰹節くせーの!w」
あ、変わった名前の人。
確か...花蘇芳くん。
彼が変わっているのは中身もだったみたいで
そのヘンテコエピソードを聞くために
彼の周囲には常に人がいる状態だった。
(ああいうのって、面倒くさそうだよな〜)
なんて事を思いながら
今読んでいる本の続きを読みはじめた。
今読んでいるのはいわゆるラブストーリーで
目立たない少年と年の離れた女性が恋愛をし結婚する
という至って普通の小説だった。
本はとても良いものだ。
読んでいると、まるで自分もその場にいるかのように
錯覚してしまう。
おれは基本的に本ならなんでも良くて
漫画も小説も大好きだ。
そんなおれはありふれた日常の変化!
なんて求めていなかった。
そんな本好きなおれに最近変化があった。
例の花蘇芳くんのする話だ。
彼にとっての日常の話は、
おれにとってはひとつの物語を読むくらい
引き込まれるものだった。
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