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望「全部雪乃さんが悪いんだよ」
望君はドサッとソファーに座ると、吐き捨てる様に呟いた。
冷たく、重い沈黙が流れる。
望「だってそうでしょ?」
沈黙は最初に破ったのは、望君だった。
望「病むくらいなら別れれば良かったのに、自分の恋が上手くいかないからって、次は八代君に手を出すの?八代君を優真の代わりにして…本当にずるい人」
雪乃「してない…違う、そんな事…」
望「八代君が貴方の事ずっと想ってるの知ってて遊んでるんでしょ?楽しかった?」
雪乃「…え?」
望「今更とぼけないでよ、偽善者さん」
違う、知らない。
知らない…あぁ、やめて。
嫌だ、見たくない、思い出したくない。
無月『雪乃』
雪乃『どうしたの?そんなに改まって』
無月『あのさ昔の約束…覚えてる?』
雪乃『…昔?』
俺はこの時、きっと無月よりも鮮明に思い出していた。
『中学卒業しても、俺の事好きだったら考えてあげよう』
小学6年の時、無月が俺を好きだと言った。
俺はふざけてるんだと思って、冗談で返した約束。
無月『雪乃、俺に言ったよね?あの時…』
雪乃『…なんの事?』
無月『え…』
雪乃『思い出いっぱいありすぎて分かんないよ、ていうかほら帰ろ?今日は皆で卒業祝いしよって話だったでしょ?』
無月『…そう、、だね…帰ろっか』
違う、俺は友達で居たかっただけなんだ。
無月とはずっとずっと友達が良かった…いや、でも、、なら、あの時、そう、、言えば、、良かった、、の、、か、、?
望「死ねばいいのに」
望君が冷たく放った言葉が何度も頭の中で再生される。
俺がいけないのに、傷つく資格ないのに、勝手に目からポタポタと、静かに涙が零れ落ちていた。
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