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V.DSS それでも駄犬はご主人様のボールをくわえて
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さて、初めましての方もそうでない方もごきげんよう。
元詐欺師で、現会社員の佐目だ。
現在は同性と同居し…驚くなかれ、男のシンボルであるあれがない状態にある。
何でこんな妙な経歴になったのか、とか。
ってか、男と同居するゴタゴタについては、この際はぶく。
…色々あったんだよ‼以下略‼
とにかく2月14日の朝。…横向きに眠るのを常とする俺が目覚めた時、視界は白い壁を映し出していた。
ただ、違和感が一点。…背後からの圧倒的ホールドに俺はたちまち半眼になる。眠気も吹っ飛ぶ。悪い意味で。
「おい、ジョン。」
畜生。寝起きで舌もロクにまわんねぇ~とか。
「…おはよう、佐目。」
ジョンは…ってかこれは言わばあだ名なようなもんで、ちゃんとした本名だってコイツにはあるのだ。が、本人はあまり呼んで欲しくないらしく、結局ジョンで定着しつつある。外国人みたいだが、容姿はれっきとした黒髪爽やか系男子である。中身?グレ集団の元トップで腹黒野郎。馴染みの情報屋までいやがるっつったら、末恐ろしさが伝わるだろうか??
「はよ…って、違うだろ、ジョン。」
「なに、佐目。」
「くっつくな。暑苦しい、うっとおしい。…いい加減、離れろ。」
背後でもぞもぞと駄犬が蠢く。やがて、犬はその顔をご主人の肩にのっけた。
「…おい、犬よ。貴様、言語を解しているか??」
「わかっているよ。…もうちょっとだけ。」
「…なんか今朝はめちゃくちゃ甘えてきてないか??」
駄犬はふんと鼻を鳴らす。
「佐目の鈍感。」
「ド…ッ!?…待て。みなまで言うな。当ててやる。お前の脳みそなんて、この俺の超絶優秀な賢さで見れば一発でその思考回路を読み解ける。」
「佐目、セリフから匂いたつ小物臭がハンパないよ。」
数秒考えて、俺は閃く。
「そうか。今日は二月十四日…。バレンタインだからか‼」
「正解。…チョコ、一つももらって帰って来ちゃダメだからね、佐目。」
「ええ~っ??」
まずい、と思ったときにはすでに手遅れだ。
腰回りについていた両腕の拘束力が1.5倍くらいに跳ね上がる。
「…俺以上に好きな人がいるの、佐目。浮気??浮気なの、佐目。」
「ちが…っ‼今度の上司は女性で、そういうイベントごとが好きな人なの‼オフィス全員にチョコバラまくに決まっているだろ‼」
薄暗い寝室の中。ジョンが下唇を噛む光景が目の端を掠める。
「…もらわなきゃいい。」
「ば~か。そういうわけにはいかんだろう。せっかく大量生産に手作りしてくれるのに。」
「佐目は、俺以外から贈られたチョコを受け取っちゃダメだよ。」
ダメ、ダメと連呼する駄犬に俺は思わず微苦笑を浮かべる。
「ダダこねるなって。…お前も小心者だな。そんなに俺が浮気するように見えるか??」
暗闇の中、手探りで相手の片頬に手を滑らせる。
「俺は、お前一人だよ。」
親指の先で相手の唇を繰り返し撫でてから、自らの口を重ねる。数秒、呆けていた相手はややあってから完全にスイッチが入ったかの如く猛然と口づけに情熱を傾けだす。
(バカだなぁ…。)
例え何千、何億と数えきれないチョコを贈られようと、駄犬が主人の体を貪った深い甘味は得られないと知っているのに。
(まだ不安がってやがんの。)
服の裾からジョンの手が忍び込んでくる。唇を掠めあうだけのものが、ディープキスへと変化していく。
(お前からしたら、俺がかわいんだろうけど。俺は自分をそんな風に静かに執着し続けてくれるお前がいじらしくってたまらねぇよ。)
両腕を相手の首に絡めると、熱情を灯した双眸に見下される。背筋が戦慄く。息が乱れる。制御がきかないほど、興奮している自分に気がつく。
(…しょうがねぇなぁ。)
今日は大人しく、餌になってやるか。
V.DSS それから駄犬はご主人様を美味しく頂く
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