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始まりの値段は100円でした4
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僕は慌てて振り向き後ずさる。
ドンッと音がして背中がゲーム機へとぶつかった。
び、びっくりしたぁ………。
ドキドキと鳴り止まない心臓は目の前の人物を見て、更に鼓動を早めた。
水色の髪、ピアス、指輪、手には棒付きキャンディ、更に高身長………極めつけは同じ制服……。
こ、これは絶対に関わってはいけない人種だ……。
「それ、」
と手にしている棒付きキャンディで指したのは、僕の背中に当たるゲーム機。
「俺も一昨日からやってるんだけどさ、全然ダメで。」
「……え……は、はぁ…」
「お前、今一発で取っただろ?」
み、見られてたのか、ずっと……。
全然気付かなかった……。
「すげーな!」
ニッと笑った水色は、晴れた青空を連想させた。
笑顔、綺麗………。
「いいなぁ、そらぬこくん。」
「そ、そらぬこくん……?」
ってこの不細工な猫のことかな……?
「そそ。可愛いよなぁ、そらぬこくん。」
な?と笑って同意を求められるけど、僕には不細工にしか見えない……。
「か、可愛いですか……?」
「え、可愛くね?グッズ見つけると、ついつい買っちゃうんだよなぁ。」
ほら、と見せてくれたのは鞄についた小さなストラップ。
確かにこの不細工な猫だ……。
「俺こういうの下手でさ、全然取れねーの。何かコツとかあんの?」
「え、えっと……あるにはありますけど…その、感覚的な部分もあって……だから、その…」
「ふーん……やっぱそう言うもんかぁ。」
難しい顔をしながら、手にしていた棒付きキャンディを口で転がし始める。
「諦めっかぁ……」
名残惜しそうに踵を返す背中を思わず呼び止めてしまった。
取り出し口からぬいぐるみを手にして、腕を突き出す。
「あの、もし良かったら…これどうぞ!」
「へ?」
あ、もしかしてこれ間違っちゃった……かな…?
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