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始まりの値段は100円でした19
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「ちゃんと笑いますよ……人並みには……」
「そ?だって全然笑ってんの見なかったからさ、苦手なのかなって思ってた。」
それはただ単純に怖い不良達に囲まれて顔が引きつってるだけです……。
「いいじゃん、いいじゃん。笑った顔、すっげーいいよ。」
「いやそんな……大袈裟な……」
「マジだって。」
頬をつついていた手が、ふにっと摘まむように口の端に宛がわれる。
「可愛いよ、本当。」
「ぇ…………」
真っ直ぐに向けられる目から視線が逸らせなくなる。
広がる青空は僕の心臓をドクドクと速めた。
この人…………
「仁科は何したら笑ってくれんの?もっと見たい。」
絶対、天然の人たらしだ………。
「何って……」
この場から解放してくれたら、とは言えない…。
「楽しいこととか嬉しいこととかあれば…?」
「え、もしかして今って楽しくなかった感じ?」
眉尻を下げてしまった末岡くんに慌てて首を振ってみせる。
「いや、あのこんな風に遊ぶのって慣れてなくて……」
「あ、そう言うこと?じゃあこれから慣れてこうな!」
「あ……え…………」
もしかして僕、今墓穴掘った……?
「今日は俺らの遊びに付き合わせちゃったけど、今度は仁科の遊び方に付き合うからさ。俺ら良い友達になれると思うんだよ。」
「と、友達?」
「そ。ダチ!な?」
ああでもない、こうでもないと言い争っていた目の前の二人に問い掛けた末岡くん。
二人は一度目を合わせて、僕の方へと向き直る。
「私は気に入りましたよ。あまり周りには居ないタイプの人間なので。」
「まあ、悪くはねーんじゃん?地味だけどな。」
き、気に入られてしまった………。
何で……どうして………。
「これからもっと楽しくなりそうだな!」
ああ……僕の平穏な高校生活は、程遠いものになってしまいそうだ………。
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