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始まりの値段は100円でした20
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店を出たのは入店から一時間ほど経ってから。
すっかり日が暮れてしまった外は街灯が灯っていた。
「それじゃあ私達はここで。」
真冬先輩達は電車で帰るらしく、駅の改札の方へと消えていく。
残されたのは僕と末岡くん。
二人きりになってしまった……。
「仁科、家どっち?」
「え、えっと…あっちです。」
と指差した方へ末岡くんの足は向く。
「末岡くんもこっちなんですか?」
「いや、逆。でももうちょっと話してたいから。」
「はぁ………」
僕なんかと話して楽しいのかな………特に共通の話題があるわけでもないのになぁ……。
「仁科って普通のテレビゲームとかは得意なのか?」
「え、うーん……あんまりやったことないかも……」
「アプリ系は?」
「特には……」
「へえ、得意そうなのに意外だな。」
俺はこれやってる、と見せられたスマホの画面には察するにパズルゲーム的なものだ。
「面白いんですか?」
「すっげー面白い!」
「………僕もやってみようかな。」
何気ない呟きなのに末岡くんは嬉しそうに顔を綻ばせた。
「マジ?やった、じゃあフレンドなろうぜ!」
「フレンド?」
「ゲーム内の友達ってこと!」
スマホを出すように促されると勢いのままアプリを入れられ、あっという間に登録まで済まされてしまう。
「ニックネームは……にっしーでどうよ?」
「にっしー?」
「嫌?」
「え、いえ何でも大丈夫です……」
「ん、登録終わり!はい、スマホ。」
「ありがとうございます。」
スマホが返されると今度は数字を打つようにと告げられる。
「スエってのが俺ね。」
「あ、いた。」
「フレンド申請のボタン押してみ?」
「はい、押しました。」
「さんきゅー、これでこっちでもお友達だな。んで、その俺の名前の横のハートマーク押してみ。」
言われた通りにそこを押すとピンク色だったハートは黒く陰る。
「お、きたきた。ほら見てみ」
末岡くんの画面には「にっしーさんからハートが届きました」の文字が表示されていた。
「仁科のハート、貰っちゃった。」
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