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混乱その一言
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その日の晩は熟睡できず、
壮絶なクマと寝癖とともに俺は翌朝を迎えた。
「クソッ…...あんの ド変態のせいで」
家に帰って繰り返し口を濯いだが、まだ奴の舌に蹂躙された感触はおぞましい程ありありと残っている。
しかも、あんまり鮮明に思い出してしまえば、股間が誤作動を起こす有様。地獄だ。野郎とのべろちゅーでその気になるなんて、俺の息子はイカレちまったのか。
1限にはとっくに間に合わない。
サボってやろうとも思ったが、俺が昨日の忌々しいキスに思い悩んで休んでいると奴に勘違いされるのも至極癪だったので、渋々ベッドから這い下りた。
「あの野郎、何考えてやがんだ......」
俺の今までのスクールライフには、俺と相手との『主従関係』なるものが確かに存在していた。
主従 なんて字面は仰々しくて痛々しいが、事実として俺に逆らうやつは居なかった。
と同時に、自ら奴隷になりたい奴もまた居なかった。
当然だろう。
ロクな抵抗も出来ず、毎日怯えながら登校し、俺からの執拗なイジメにただただ苦悶し逃げ惑う可哀想な“餌食”の姿。
それを見て楽しむことに、俺は俺の全てをかけて来た。
持てる全てで丹念に可愛がった。
愛に近いと思う。
______が、本当にLOVEな訳あるか。クソが。
あのクソエンジェル君は、
この俺に本気で惚れてやがる。
罰ゲームでも何でもねえ、あの純粋無垢なクリクリお目目がその本気度を物語る。
ああ気色悪い、虫唾が走る。
プライドは高くてメンタルは脆い、そんな男女を精神的に追い詰めるのが大好きなのに、あいつの性質と来たらその真逆だ。
見誤った... 何で気付かなかった?
俺が本性を明かすまで、あいつはあいつでただ犬みてえにちょこまか後ろに貼り付いてきただけだった。
それなのに、俺が突っ放した途端、その変態っぷりを表に出した。
______君は非道なイジメの対象に僕だけを選んだんだ
さも嬉しそうな天使の台詞が蘇る。
あろう事か、あいつは俺の本性に気付いていたんだ。
後になれば散々イジメられる事を分かっていて、それなのにこの2ヶ月ずっと俺の傍に居た。
毎日どんな良い事があったのかと思うほど満面の笑顔を崩さない。
パシリに使おうが面と向かって罵ろうが、嫌な顔ひとつしない。
昨日なんざ、この日を待っていましたと言わんばかりに......
「...狂ってやがんな。」
『誰が狂ってんの??』
「う、おおぉッ!?」
凡そ5分で支度を終え、手ぶらで家を出たタイミング。
突如として背後から現れた美少年を前に、思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
「テメ何でここに居やがんだ天使...ッッ!!!」
✕ ✕ ✕ ✕
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