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天̶使̶くん
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天使の家は、思っていたより庶民的なマンションの一室だった。
一階の角部屋... 天使曰く、普通だけど防音が売りなんだって。何だよそれ。
俺は奴の発言という発言全てを疑る癖が付いたが、家に行った時点で既に十分不用心だった。
それを数時間前の俺に教えてやりたい。切実な思いだ。
「...... ン゛......」
びっちりと閉じたカーテンに遮光された、仄暗くやけに暑い部屋で、俺はまんまと天使の入れた麦茶を飲んだ。
「なみなみ入れ過ぎちゃった!」なんて慌てた素振りで俺の口元にコップを寄せて来る奴に押し負かされて。
反射的に冷たい麦茶を飲み下せば、
次の瞬間頭を床に叩き付けられた。
正しくは、
ぐらりと視界が歪み傾斜し、
立位も保てぬ勢いで全身の筋が弛緩し、
瞳が上転すると共、俺の脳ミソは完全にそれ以降の記憶を断った______
再び 奴のベッドの上で俺が意識を返すその時まで。
「なん... ら゛、これ゛」
______呂律が回らない、舌が痺れて変だ。
見渡す視界が覚束無い。
頭が割れるように痛い。
全裸で絹布のシーツの上、仰向けに転がされた状態。
肌がやけに絖ついてるのは何だ、... ローションか...?
手首と足首を繋ぐ革製の拘束具が見える。
所謂まんぐり返しみたく無様な格好で、身動きすらままならない。
「ン゛ッ..、 ぐ」
おまけに、ケツの穴に覚える違和感...
自分では確認出来ないが、
確実にナニかを埋め込まれている。みぢ、と痛い程拡がった排泄穴が異物を咥える不快感。
...堪ったもんじゃない
何でこんな事に......
それもこれも あいつがやったってのか......?
「______やっと起きたの? 遅いよ
ケタミンって久々に使うから心配になっちゃった」
この声。
普段の調子と何ら変わりない、天使の声。
「て めえ......」
薄らとしか開かない眼で睨め付ける事は出来ず、現れた奴の面一点に視線を合わせる事もやっとだ。
それにしたって、麻薬名とは何の冗談だ。
エンジェルが発する単語にしちゃ物騒過ぎんだろ。
こいつは何だ、高校生にしてヤの付く悪徳稼業にでも関わってんのか。
上手く回らぬ今の頭では、そんな妄想程度が限界だった。
しかしこの自分のバグり様。可笑しな薬を盛られた事は間違いない...
「もう わかった。
...お前がイカれてる事は十分わかった、沢山だ。
俺を解放しろ」
「いやだ♡ 寝てる内に可愛いお尻を拡張されて、どんな気持ち?」
「ッぐ、気色悪ィ...! んな事して何が楽しい」
「楽しいに決まってる
僕を虐めようとした君を部屋に監禁して、心行くまで凌辱出来るなんて 最高だよ...♡」
天使らしからぬ底意地の悪い台詞と、愉悦の笑み。
_____畜生このエロサイコ、俺を犯す気だ。
そう思うと、怒りが止まらない筈なのに それよりも先にゾクゾクと背筋が粟立った。
冷たい汗が額から頬を伝い降りて幾つも筋を作った。
どうにも息が詰まって、罵倒の言葉も出なかった。
藻掻きたくとも足先しか自由の効かない体勢のまま、ただひたすらに身体が震えた。
「偉主郎くん......そんなに震えてどうしたの」
「僕の事が怖いんだ?」
「今まで沢山人を怖がらせた報いだよ」
「今度は君がたっ...ぷりイジメられる番だ」
「日が暮れたって帰さないから覚悟して」
言葉も言葉にならない俺に、天使は忌々しい台詞を浴びせて来る。
分が悪いと理解していたが、散々神経を逆撫でられて、短気な俺はもう我慢の限界だった。
一瞬でもこいつを“怖い”だなんざ思った事を認めたくなくて、認める訳には行かなくて、躍起になった。
「お前が人からハブられる理由がわかったわ異常者が」
「巫山戯た名前と ホモで クソ変態野郎ッて事だけが特性のお前がつけ上がんな」
「レイプした位で俺の人生覆せると思うなよ」
「お前は一生イジメられッ子の負け犬で 俺は一生搾取する側、何したって変わんね-」
「大体、俺がお前に堕とされるわけね-だろが」
怒涛の罵詈雑言を聞き終えた天使が、
悪魔みたいに笑った。
悪夢の始まりだった。
✕ ✕ ✕ ✕(⚠️次回R18要素)
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