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「甘い」
「これって・・・・」
「濃いな」
すれ違い様、そう誰かが言っていた。
廊下を足早に進み人気のないトイレへと急いで入り、奥の個室へと駆け込んだ。
いつものように便座の上に膝を立てて座り顔を両手で覆い隠した。
この場所は俺にとっては駆け込み寺のような所で、何かから逃げたい時や落ち込んだ時には必ずここで悩み落ち込むのだ。中学の頃から自分の落ち着く場所を探しては見つけ、そこに隠れていた。
そしていつものように携帯を取り出し一通のメールを送る。何の返信も返って来ないけれど、きっと相手は内容の確認をしてめんどくさそうにしながらも来てくれるのだ。
だんだんと熱を持ち出した身体が何を意味しているのかが、じわりじわりと心を締め付け頭の奥では誰かが『理解しろ』と叫んでいた。
「はぁ・・・・はぁ・・・・嫌だ・・・・」
額に滲む汗を拳で拭き取りながらも、全身が熱を放出し拭いても意味をなさない。
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