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汗が吹き出し過ぎて、皮膚や髪をつたい床を濡らしていると思ったが、それは汗ではなくて重力に抗えることが出来ない自分の目から零れ落ちた涙だった。
大量に溢れる涙が、今の現状を全て洗い流し「何もありませんよ」と言ってくれればなんていいことなのだろうか。
誰かが「ドッキリですよ」と言ってくれれば、なんて有難いことなのだろうか。
だけど、現実はそう簡単なものではなくて自分に起こり得ている真実を打ち付けて来た。
自分から発しているものが何かはわからないし、匂いなんて全くしない。でも確実に自分から垂れ流しとなっている物が誰かを引きつけて、誘ってしまう。
メールを送ってから1分も経たないうちに、トイレの扉が開かれる音が室内に響き渡っていた。
俺は一先ずは安心だと思い、隠れていたトイレの扉をゆっくりと開けた。だけど目の前に居たのは俺が助けを呼んだ相手、紅河ではなく、見知らぬ男子生徒が2人。
いや、正確には人ではなく獣人と鳥人の生徒がフェロモンに充てられ半獣化しながら目の前を立ちふさいでいた。
「こいつだ。すっげぇ垂れ流し・・・・当たりだな」
「だから言ったろ?おい、鍵閉めとこぜ」
2人の言動も行動も不安定で、それはテレビでも見たことも聞いたこともある、人外が人のフェロモンに当てられ暴走する瞬間。
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