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微かに聞こえた紅河が呼ぶ声に俺はすぐに反応した。
無表情だったのに今は苦しそうにしていて、よく見ると涙を流していた。
「紅河・・・・泣いてるのか?」
「俺は・・・・お前を・・・・・・襲いたく、ない・・・・・・」
そうゆっくりと話す紅河の姿に俺は幼い時に見たことのある紅河を思い出した。
※
出会ってすぐのこと、紅河は周りとは馴染めずよく虐められていた。そんな紅河を守っていた俺は巻き添えをくらい怪我したことがあった。
そして側で泣きじゃくる紅河は、「もう助けなくてもいい」と「僕のことはほっといて」と、泣きながらもはっきりと言っていた。
「どうして?」と聞き返せば紅河の涙を勢いを増して止まることを知らない。
「明君が傷つくのを見たくない」
そのことを聞けば俺は笑わずにはいられなかった。
ずっと、側に居たいと強く思ったんだ。
※
「大丈夫・・・・紅河は俺を襲わないよ。だって、ずっと側に居たんだ。お前は強くなったし、あの時とは違う!こうっっ、んん!!??」
一瞬だけ思い出に浸り、紅河ならそんなフェロモンにやられる訳がないと、思った。
でもそれも違った。
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