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惨めで意気地なしで、いざ目の前にしたら怖くなって足がすくみ、言葉は喉をつかえ出ようとはしなかった。
何もかもがダメな自分で、それにプラスされてしまったこの身体。
それでも俺は紅河に会いたくて、会って何を言ったらいいのかなんて全く整理がついてないけれど、それでも会って俺は何かを伝えないといけない。
ぎゅっと抱きしめて紅河に謝り一緒に家に帰る。
これからもずっと側に入るために。
そしてまた俺の心に一つの黒い染みが広がっていた。
(そう言えば・・・・紅河は、俺とのこと・・・・知ってるよな。番だなんて聞いて・・・・何を思った?)
俺自身は将道さんから紅河と俺は番なのかもしれないと言われた時、明らかな喜びの感情が俺の中を満たしていた。嬉しくてつい頬が緩み、笑ってしまう。
普通なら驚き否定して悩み苦しみ嘆き・・・・死にたくなるのかもしれないのいに、相手が紅河だったから、俺は嬉しかった。
(まてよ・・・・これじゃあ俺が・・・・紅河のこと・・・・・・好きみたいじゃないか)
そう思った瞬間に身体がかっと熱くなった。
そして持っていたフェロモン感知器がピピッと音を鳴らした。
人の嗅覚では分からないフェロモンを将道さんが持たせてくれたこの感知器で読み取り、数値を表してくれた。
そして危険な数値に達すると人にしか聞き取れない電子音がずっと鳴り響き逃げろと指示してくれるのだ。
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