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そう言って俺に声をかけたのは千紘だった。
俺よりも少し低い身長で男にしては可愛いと思える容姿。異性、同性からの人気も高いようだった。
「あ・・・・ち、ひろ・・・・・・おはよぅ」
千紘を見るとどこか安心してしまう自分がそこにいて、自然と涙が溢れでてきた。
「どうした?」と慌てる千尋が俺を一気に安心の渦へと誘い込んだ。そして千紘が何かを凝視していることに気がついた俺は手に持っていた感知器を咄嗟にカバンの中に放り込んだ。
「それは?」と聞かれた俺は正直に答えていいものなのか悩み、隠すという選択に至ったが、すぐにそれが無意味だったと言うことに驚きを隠せなかった。
「それ・・・・フェロモン感知器だろ?・・・・俺も持ってるよ・・・・明も俺と同じなんだ」
笑顔だった表情は一変して無表情へと変わってしまった。そしてこの機器が一瞬見ただけで何なのか分かった千紘もまた俺と同じだという事が言葉にしなくても十分理解できた。
※
学校をサボり、当てもなくぶらぶらしていた俺たちは河原を見つけ適当に座り、無言のまま目の前の景色を見るフリをしていた。
隣に座る千紘を横目に見ながら何と話を切り出したらいいのかと悩んだ。
でも最初に話を切り出してくれたのは千紘でさっきまで見せた表情とは違い何か取れてしまったような明るい表情をしていた。
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