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ベッドの上に寝かせてくれた紅河が何も言わずすぐに離れようとした瞬間、俺の意思とは関係なく身体が勝手に動き、紅河の裾をしっかりと掴んで放さなかった。
「明?」
怪訝そうな表情を俺に向けて、裾を掴んでいた俺の手にそっと触れて放そうとしていた。
だけど俺はこの手を放せば紅河とは一生分かり合えない気がして、絶対に放さないと力み、自然と流れ出てくる涙を見せないように下を向いた。
そして胸が余計に締め付けられる感覚になり、苦しくて辛くて、心の底で願った言葉が外に漏れ出していた。
「・・・・紅河、い、いか・・・・ないで・・・・・・一人にしないでよ・・・・・・」
「明・・・・・・それは、ダメだ」
痛い。
・・・・痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い。
誰かが俺の心臓を握りつぶそうとしているのかと思うくらいに、胸が痛くてしょうがなかった。
「ぐずっ・・・・ど、どうして?なんで?なんで紅河はそんなこと言うの?どうして?前にキスしてくれたのはどうしてなの?フェロモンに惑わされたから?俺のこと・・・・うぅ、からかっただけなの?なんで一緒に居てくれないの?」
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