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溢れる気持ちを押さえつけることが出来ずに、蓋が完全に壊れた俺の心は外に出れた喜びを感じながら、悲しい光を浴びていた。
涙で濡れる全てが、今は気持ちが悪くてしょうがなかった。だって、こんなの涙で歪んで可哀想になった俺を見せつけ紅河を落とすみたいで、俺は酷い事をしているのだから。
それでも涙が止めることが出来ずにいた。
「ちがっ!!・・・・明、泣かないで?あ・・・・・・」
言葉に詰まった紅河を恐る恐る見てみると顔を赤くし、肩を上下に揺らし息切れしていて、まさにその姿はフェロモンに当てられすぎた獣が目の前にいたのだ。
赤かった瞳がさらに赤くなり、髪の毛をぐしゃぐしゃとかき乱し片手で顔を覆い隠していた。
そして指と指の隙間から覗く紅河の燃えるような赤い瞳が俺を捕えた。
一気に加速する心臓の音、そして気がつけば俺は少し薄汚れた天井を見上げていた。
「?」
そして上には熱くて重い、何かが覆いかぶさったと思うと目の前には紅河が泣きそうな表情で俺を見ていた。
声を掛けれればよかったのだけど、俺の口を塞ぐのは紅河の唇で、時間差はあったがこれはキスされているのだなと理解した瞬間に紅河の舌が口内をかき乱してきた。
「あふぁ・・・・んぅぅ!!!」
時間にしてみれば数秒だけの濃厚なキスで、唇を離された時に、お互いの唇を行き交う涎が光、それを拭う紅河がいやらしく見えて俺の心臓はすでに最高潮を迎えていた。
「こ、紅河?ど・・・・して?うぅぅぅなんで?なんで・・・・キス、したの?」
絞り出てきた声を必死に外へと押し出し、紅河の首に腕を回し抱きつき、ひたすら泣いた。
その間は紅河は無言で俺のことをずっと抱きしめてくれていた。否定し嫌がることもなく、ただただ背中や頭や、頬を撫でてくれたいた。
「明・・・・聞いて。俺は、明のこと・・・・・・」
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