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一夜限りの
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相原 宣行(あいはら のりゆき)Dom
美芳 逞(みよし たくま)sub
俺は特定のパートナーを作るのが嫌いだ。
昔から俺の事を知っている友人にはそろそろパートナーを作れと口を酸っぱくして言われるがさらさらそんな気はない。
誰かに縛られて生きていくなんて御免だと思っている。
だがしかし、subとしての欲求も性欲も何もしなかったら溜まってくる訳で。
ヤりたくなったらその日に一夜限りの相手を探すのが俺のやり方だ。
それは今夜も例外ではなくお気に入りのバーで酒を飲みながら相手を探していた。
「君、フリー?」
いつもの様に相手を見つけるために行きつけのバーで飲んでいたらスーツを着た男に話しかけられた。
「うん。お兄さんも?」
俺がそう言い終わると男は「あぁ、隣良いかい?」と言いながら俺の答えも待たずに隣の椅子に腰掛ける。
聞いときながら返事は聞かないのかよ。
俺は「どうぞ」と言いながらバーテンダーにお酒を頼みながら隣の席に腰掛ける男を値踏みする。
多分行動の速さからして彼も俺と同類。
一晩だけの相手を探して居るんだろう。
それなりに格好良いし今夜はこの人かなと頭のなかで考える。
「君、名前は」
男が出されたばかりのお酒を飲みながら問うてきた。
「タクマ。お兄さんは?」
「ノリユキ」
仕草の一つ一つがスマートで見とれてたら男と目が合ってしまった。
ニヤリと笑って男が名前を名のる。
「何、僕の顔見とれるほど格好良いかな」
「ち、違うよ!」
俺の慌てた様子を見て男は楽しそうに笑っている。
「君は今晩の相手を探してるんだろ?僕なんかどう」
なにもかも見透かされてる様な口調に少しカチンときたけど男を隣に座らせた時点で俺は了承しているも同然だし、俺は俺で今夜はこの人って決めたから断る理由もないのでコクリと頭を縦に振った。
「じゃあ、行こう」
男はそう言って財布からお金を取り出しカウンターに居るバーテンダーにお金を渡しながら席を立つ。
俺も慌てて財布を取り出そうとズボンの後ろポケットに手を伸ばしたのを見て男が仕草だけで俺を止める。
「ここほ僕が払うよ」
ニコリと気の良い笑を浮かべながらバーテンダーからお釣りを貰うと男は僕の手を引いて店から出た。
お店から出ると男は俺の手を引きながら無言で歩いていく。
「何処に行ってる?」
「その質問に答える前に確認したい事がある。君、駄目な事はあるかい?」
男の言う駄目な事とは多分プレイの事を指している。
初めての人、ましてや今日あったばっかりなのでそう聞かれるのも無理はない。
たまに常識のない奴はこっちの都合も考えず勝手に始めたりするけど。
「別にないよ」
これと言って嫌いなプレイはないしずっとこんな感じで不特定多数の人と遊んできた俺としては相手のプレイに合わせる事がsub性を満たす事に繋がりつつある。
「じゃあ、いつも使ってるセーフワードは?」
セーフワードの確認をされたのはいつぶりだろう。
そういえばもうずっとセーフワードなんて使っていなかった。
「セーフワードなんて暫く使ってないからいらない」
俺の言葉に驚いたのかずっと前を見て居た男が振り返った。
「ほんとに?それはまずいな、取り敢えずセーフワードは決めとこうか」
何がまずいのか男は少し考える素振りを見せた。
「じゃあ安直だけど"むり"で良いかな?僕も楽しみたいけど君にも楽しんで欲しいから無理ならちゃんと"むり"って言ってね」
「分かった」
男は俺の答えに満足した様でうんうんと頷きながらまた前を向いて歩きだした。
「ねぇ、まだどこ行くか教えて貰ってないんだけど」
そう言った俺に男は「そうだった」といってまた振り向いた。
「shush。黙って付いてきてくれたら良いよ」
男が命令を使ってくる。そうか、もうプレイは始まってるってわけだ。
俺は大人しく男について行く事にした。
着いたのは凄く立派なホテルだった。
男はそこの常連な様でフロントマンは男の顔を見ると何も言わずにスッと部屋の鍵を出した。
「ありがとう」
男はそれだけ言うと慣れた手つきでエレベーターに乗る、勿論僕を連れて。
ホテルの立派さ服装からみて男は相当の金持ちなのが分かる。
部屋も凄く広くて豪華だった。
ベッドなんて2人でも広々と寝れるぐらい大きい。
「先にお風呂はいる?」
男が品の良いスーツを脱ぎながら訪ねてくる。
「良いの?」
風呂も相当でかいんだろうななんて考えてたから思わず食い気味になってしまう。
「良いよ、入っておいで」
男が可笑しそうに言ったので少しばかり恥ずかしくなったがそこは気にしないでおく事にする。
俺だってこんな豪華なホテル泊まった事ないしテンションぐらい上がるよ。と心の中で文句を言いながら風呂場へ向かう。
男が用意してくれたのか風呂から出たら少し大きめのTシャツと体を拭くためのタオルのみが置いてあった。
俺は体をささっと拭くとTシャツ1枚を身につけて男が待っているであろう部屋へ向かった。
男は一人がけのソファに腰掛けてテレビを見ていた。
「come」
俺の存在に気付くと男はそれだけ言ってテレビを切る。
「kneel。あと、stayしてて。僕もお風呂入ってくる」
ソファの前には少し大きめのラグが引いてあった。
俺がラグの上に座るのを確認すると男はお風呂場に向かう。
30分ぐらい待っただろうか。
ぼーっとしてたら男が出てきた気配がした。
「良い子で待ってた?」
まだ乾ききってない髪をガシガシと乱暴に拭きながらパンツだけを身につけた上半身裸姿で男が出てきた。
「うん」
わざわざ確認なんて入れなくても風呂に入る前と変わらない俺の体勢を見たら分かるだろうに、男はわざわざ俺に確認を入れた。
「good」
そう、俺の頭をぐしゃぐしゃと撫でながらソファに男が座る。
「タクマ、strip」
始めて名前を呼ばれた。
男の醸し出す雰囲気が変わった気がした。
俺は今から出される男の命令に胸を踊らせながら身につけていたたった1枚のTシャツを抜いだ。
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