アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
歓迎会初日
-
歓迎会開始の音と共に生徒が騒ぎ出す。
原因は恐らく生徒会だ。
「静かにしろ」
騒ついていた生徒達がその一言で黙る。
朝礼台に立っていたのは、生徒会長。
確かに、けーちゃんの言った無駄に顔が良いって理由がわかる。
確かにイケメンだ。
性格は……あまり良くなさそうだけども。
性格が悪そうな生徒会長様は、周りを見渡すと簡単にゲームの説明をした。
「やるのは、担任から聞いているだろうが鬼ごっこだ。鬼の奴らは俺たちから手錠を渡す。んで、逃げる奴らを捕まえたら手錠をかければいい。手錠をかけた奴とかけられた奴は、明日の歓迎パーティで止まる部屋が同じになるから考えて捕まえろよ? 後、最後まで逃げ切った奴には賞品があるから楽しみにしとけ。以上だ」
めんどくさそうにそう言った会長に早足で近づいた男がマイクを奪いとる。
多分、副会長だろう。
「言い忘れましたが、此方側で決めたターゲットを捕まえた鬼にも賞品はありますよ。ターゲットは"五十嵐 奏斗(イガラシ カナト)"君です。」
そう言って副会長が手で示したスクリーンに、その五十嵐君の写真が映る。
五十嵐君は、なんか全体的に普通だった。
いや、普通といっても普通にカッコイイという意味で顔面偏差値は高い方だと思う。
ただ、黒髪黒目で見た目に変わった所は無く、会長や副会長に比べると華やかさがない。
まぁ、でも十分に整った顔だ。
なんだよ、この学園。
顔面偏差値高すぎだろ。
そんな事を考えながらスクリーンを見て居ると、話は全部終わったようで鬼と逃げる側に別れはじめていた。
どうやら、くじで決めているようだ。
けーちゃんはもう引いたのだろうかと思いながら自分もくじをひく。
引いた紙には
「貴方は、逃げる側です……」
と、書いてあった。
どうやら、鬼ではないようだ。
あまり運動が得意では無いので隠れる事にしようと紙を握りしめた。
自分の確認が終わると周りを見渡してみたがけーちゃんの姿は無くて鬼になったのかと思う。
けーちゃんが鬼か……。
きっと、けーちゃんなんかに追いかけられたら一溜まりもないんだろうな。けーちゃんが俺を全力で追いかけてくる様を想像して苦笑いになる。
その時。
「もうすぐスタート致しますので位置についてください。 鬼は逃げる側の五分後にスタートします。」
アナウンスが流れて考えるのをやめた。
そもそも、けーちゃんが俺を狙うとは限らないしね……。
「はぁ……」
最後にひとつ溜息を吐いたのと同時に鬼ごっこがスタートした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
18 / 50