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制裁
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「あのさぁ、担当直入に言うけどさ。 宮芝様に近づかないでくれるかな?」
腕を引っ張られた先に居たのは、数人の男子生徒でその内の何人かは食堂で会ったことがある子だった。
それよりも、宮芝様に近づかないでって。
親衛隊……か。
「ちょっと、僕達の話聞いてるの??」
少し怒りぎみに声を張る男の子たち。
「聞いてる……けど」
「だったら……っ! 宮芝様に近づかないで。 君なんか宮芝様に釣り合わない」
俺を睨み付けてそう言った彼は、凄く嫉妬に塗れた目をしている。
他の男の子は何故か後ろを何回かチラチラとみてコンタクトをとっている。
その事からバックに誰かいる事がわかった。
恐らく、俺が自分達の納得いかない答えを出した時にリンチでもするつもりなんだろう。
殴られんのは怖い……けど。
「嫌だ……」
けーちゃんと距離をおくのは嫌だから。
「なっ……!?」
彼等は、はっきりと言い切った俺を更に睨み付ける。
「だったら、一回痛い目見た方がいいよね。 でてきて」
そう後ろに呼びかけると、案の定数人の男子生徒が出てきた。
いち……に……さん、しぃ……。
ご。
五人か。
あーぁ、結構ボコボコにされるんだろうな。
更に顔が醜くなるのは、勘弁だけど。
けーちゃんと、また喧嘩するぐらいなら殴られるのなんて大歓迎だ。
「せいぜい、宮芝様に近づいた事後悔すればいいよ」
後悔なんて絶対しない。
「んじゃ、まぁ。 軽くヤりますか……タイプじゃ無いけど」
ジリジリとにじり寄ってくる五人の男子生徒からどうにか逃げようと画策するけど、体力のない俺じゃ無駄な足掻きだろう。
殴られるのを覚悟で目を閉じた時。
「っ……!?」
殴られる痛みでは無く、何故か胸元が冷えるような感覚がした。
「おっほ、色白ぇー!」
恐る恐る目を開けて寒さの正体を知る。
「なっ……んで」
どうやら、ナイフか何かでジャージを体操服ごと切り裂かれたようだった。
意味がわからない。
殴るのに服を破く必要はあるのか。
「なんでって、そりゃ、ヤるからじゃね?」
その言葉を聞いた瞬間凄まじい程の悪寒がはしった。
「じゃあ、大人しくしててねー」
と、腕を拘束される。
「いやだ、やめろよ! は、なせって!」
今更足掻いても逃げれる訳は無くて、諦めるように目をつぶった。
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