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会いたかった
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「優……!?」
名前を呼ばれた事に驚き顔をあげる。
黒に近い焦げ茶色の髪。
長いまつげに、黒い細めのフレームの眼鏡。
驚きに見開かれた目は、光の加減で群青色をしていた。
「康……介……? な、んで……」
目の前に居たのは、俺の初恋の人。
康介に見つめられ足が竦む。
とたんに、あの時の恐怖が蘇り康介を振り払って逃げようとした
はずだった。
「え……」
逃げようと振り払った瞬間俺は、康介に抱きしめられていた。
頭が混乱してうまく働かない。
なにが起こっているのか理解が出来なくて更に戸惑う。
わかるのは、康介の手がしっかりと俺を抱きしめていることだけ。
「優……会いたかった……優……!」
力が入って小刻みに震える康介の手と温もりを感じて、驚きで止まっていた涙が
「康介……」
(俺も___)
何故か零れた。
(会いたかった)
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