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突然の出会い#13
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…ppp
差し込む日差しとアラームの音に重たい瞼を開ける。
どうやら、昨日はあのまま眠ってしまったらしい。
学校のあるなしにかかわらず、
操作が面倒臭くて毎朝7時になるアラーム。
それを止めようと手を伸ばし、一件の通知に気づく。
『おやすみ。起きたら電話しろ』
そういえば最後のメッセージに返信をしないまま寝落ちていた。
起きたら電話しろって…
しかもメッセージを受信したのは3時半。
今頃Rickyは眠っているんじゃないだろうか。
電話なんてかけて、迷惑じゃないだろうか。
眠たい目を擦りながら考える。
…迷惑?
…迷惑じゃない。
…気遣い?
…服従。
………よし。
Rickyが言ったんだ。
回らない頭でそんな考えに辿り着いた。
多分だけど、ちゃんと目が覚めてる状態なら僕からRickyに電話するなんて絶対出来ない。
だってかかってきた電話にすら出る勇気がないんだもん。
どうせ眠っているだろうし、3コールくらい鳴らして切ろう。
それならRickyの指示に従った事になる。
自分自身で納得し、横になったまま通話の表示をタップした。
plll...
pll
『ん…起きたか。』
朝一番に聞くRickyの声は、やっぱり綺麗すぎて心臓に悪い。
…ていうかなんで出ちゃうかなぁ、この人!!!
「お、おき…起きました。」
『そうか。おはよう。』
「お、おはよう…ございます……?」
不思議な感覚だ。
目は覚めてるのに夢を見てるような
意識ははっきりしてるのに現実味はやっぱり無い。
Rickyから僕におはようの挨拶なんて。
『よく眠れたか?』
「あ、えと……はい。」
『それは良かった。俺もそろそろ寝るよ。』
少し眠そうなRickyの声が、布と擦れる音と混じった。
僕と同じように、Rickyも横になっているんだろうか。
もしかして僕からの電話を…待っていてくれ((ry
いやいやいやそれは無いか。何考えてるんだ僕の自過剰マン。ばかばか。
「寝て…なかったんですか?」
『まぁな。』
「え、つ…疲れてるんじゃ…?」
『ま、心配するな。いつもの事だ。』
“いつも”を知らない僕は、初めてRickyの事を知った気がして少し嬉しい。
Rickyは“いつも”朝眠りにつくらしい。
「え、と…しっかり身体、休めてくださいね?Ricky……さん…?」
『ふっ。Rickyさんって何だよ。』
あ、Rickyの癖。
また少し、笑ってくれた。
きっと、睫毛を伏せて、綺麗に並ぶ白い歯を少しだけ見せて。
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