アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
もう離れられなくて#18
-
それから、奏楽さんはどこへ寄るでもなく
早々に駐車場へと向かった。
本当にこのタピオカが飲みたかったばかりにショッピングモールに来ていたんだと思うと、
なんだか健気で笑ってしまいそうだ。
再び車の中へ戻ると、奏楽さんは黒い塊を一気に吸い上げて、満足そうな顔をする。
こんな気持ちの悪い飲み物を飲んでいても様になるなんて、やっぱり奏楽さんは格好いい。
「…?何見てる。お前も飲みたいのか。」
「いえ、要らないです。」
まぁ、残念ながら僕はそれを飲む勇気は無いです。
「って、あ…ぁあの、僕お会計…‼︎」
そこでふと気付いた。
あまりにユニークな組み合わせをチョイスした奏楽さんの注文に思考回路が停止していて、
あの時お金はおろかお財布すら出すことを忘れていた。
がめついやつだと思われてしまっていたらどうしよう。
「…今日、来る時コーラ買ってくれたろ。
それでチャラにしてやる。」
特に気にするでもなさそうに、奏楽さんは相変わらずちゅうちゅうと緑の液体の中に詰め込まれた黒い塊を口の中へ運んでいる。
そんな風に奏楽さんが飲んでいるからか、
まるでこの世の終わりみたいな見た目をしているメロンソーダタピオカもちょっとだけ…本当にちょっとだけ美味しそうに見えてしまった。
「…タピオカ、そんなに好きなんですか?」
キャラメルミルクティーに口をつけ、
控えめに聞いてみる。
もし奏楽さんが知らなくて、美味しいタピオカのお店があるなら僕が連れて行ってあげたい…とか思ったり。
ナベなら多分、色々知ってそうだしね。
「好きか嫌いかと言われれば好きだけどな。
…どちらかと言えば、タピオカよりス○バ派だな。」
イ○ンにス○バ、入ってましたよ奏楽さん。
素通りしてタピオカに向かったのは何故。
悩みましょうよ、少しは。
「……次来るときはス○バにでも行くか。」
「っへへ。そうですね。」
「何がおかしいんだ。」
「何もおかしくないですっ。」
イ○ンをカフェ感覚で使ってしまう奏楽さんに、
思わず笑いが溢れた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
34 / 95