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その日を境に、僕の生活は一変した。
今までは、くすくす笑われるだけだったのが、ひそひそ話の声が大きくなって、廊下ですれ違う時にはどつかれたりした。
そんなことが数週間続いても、普段から何も言わないしクラスに馴染んでなかったから
周りの大人は気付くことはなかった。
階段でどつかれたときには足を踏み外して怪我をしたけど、普段からとろい僕の不注意ということで済まされたし、
先生がいるときでも、わざとふざけているフリして給食を取り上げられ、クラス中が笑っていた。
僕が困っていても実害はないと思ってたのか、そのときは先生も一緒になって笑っていたのが無性に悲しかった。
その後も物を隠されたり、教科書に中傷的な言葉を書かれたりしていたけど、
小学6年生にあがったときから段々いじめもひどくなっていって
休み時間や放課後に人気のないところに連れていかれて、ボールをぶつけたり、縄跳びで縛って放置したりされた。
それまでは直接殴られることはなかったけど、ある日僕が具合が悪くてどうしてもやめてほしくて
どもりながらも、やめるようにお願いしたら
「気持ち悪い、しゃべるな」
と蔑んだ目で見られて、そこからはずっと直接的な暴力が続くようになった。
主に僕をいじめていたのは、タケル君やその友達だったけど、
僕がウサギを殺したことになっていたから、他のクラスの子たちも一緒になって僕をいじめるようになっていた。
それでも彼らは賢くて、絶対に目の付く顔や足、腕には暴力を加えなかった。
大人に見つかると問題になって、大事なおもちゃを取り上げられるからだ。
巧妙な手口でいじめを隠す彼らと、
日に日に喋られなくなっていった僕のおかげか、
周りにいじめがバレることなく、
僕はそのまま近所の中学校に進んだ。
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