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俺とぶつかったあの後から、彼の様子がおかしくて、
橋本という年配の女性が責任者に話を付けて早退させたらしい。
だが、次の日もその青年、笹本君は会社にこなかった。
普段から勤怠のいい彼は無断欠勤なんて絶対にしないから、
家で倒れているんじゃないかと心配した橋本さんが
自身のシフトが終わった夜20時過ぎに初めて笹本君の自宅を訪ねたところ、
玄関の鍵が開いていて、中で裸で倒れている彼を発見した。
その細い体は真っ赤な血なと大量の精液でぐちゃぐちゃの状態で、
虚ろに目を開く彼を見たときに
橋本さんは死んでると思って腰を抜かしたらしい。
それでもすぐに救急車と警察に電話をして助けを呼ぶと、
彼は酷い状態ではあったものの生きていて、なんとか意識もあったいう。
その後彼女は警察で聴取を取り、病院に向かったけど彼はまだ手術中で会うことはできなかったが、
2日後に病院に行った時には命には別条がないと医師から告げられて安心したと言っていた。
発見して1ヵ月ほど経つが、彼はまだ同じ病院に入院しているため、仕事は長期休養ということになってるらしかった。
もしかしたら俺が、あんなひどいことを言ったから。
彼に何があったのかはわからないが、橋本さんの話では性的虐待に加えて、
フォークやハサミなど身近なもので体も刺されていて出血が酷かったという。
俺が発見したあのときに、救急車を呼んで警察に届けさせていたら
まさかこんなことにはならなかったんじゃないか
という罪悪感に苛まれて会社を早退を願い出た。
上司には頭痛が酷いので大学病院で薬をもらってきますと報告すると二つ返事で早退の許可が出た。
それに、俺の仕事だと携帯とパソコン一つで他のメンバーに指示も出せるし、
たまに自宅から仕事をしていたのでそんなに支障はないのだろう。
橋本さんと連絡先を交換して、笹本君が入院しているという大学病院にやってきた。
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